Clear‐Crane‐Crime 7th【ars M.A】 (ページ6)

今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:1,745,436 hit

216.営業方法。ページ6

「子泣きジジイみたいだな」

私におんぶされるような体勢になってる雅紀くんに向かって、二宮さんがケっと吐き捨てる。

「失礼だなぁ、ニノは。フフッ、ヤキモチ？」
「どこに対してのヤキモチだよ。ってかさぁ、お前にオンナが出来たってバレたらMIYABI的にも大損害なんじゃないの？」

ねぇ？って二宮さんは潤さんに同意を求めた。

「損害って大袈裟な」
「だってミヤビナイトに来る女子の半分は『DJマサキ』を狙ってんじゃないの？あと半分は潤くん」
「アハッ！んなワケあるか。まぁ、雅紀の方はそうかもしれないけど」
「ほら。ミヤビナイトの集客落ちちゃうよ？相葉さんにオンナできたのバレたら」

変わらず私に覆い被さってる雅紀くんが「俺、そんなにモテないって」ってブツブツ言ってる。

「疑似恋愛させてお客さん集めなきゃー。なんだ、あれよ、色恋営業」
「雅紀にそこまで求めてないよ」

二宮さんの発言に、潤さんが大笑いしながら話を続ける。

「じゃあ何？ニノはそんな営業の仕方してんの？」
「まぁ、多少は」

別に楽しそうでも無く、二宮さんは答えてビールを飲んだ。
潤さんがちょっとビックリしたように、眉毛を上げた。

「ねぇ、潤くん」

雅紀くんが、やっと私から離れてカウンターの方を見る。

「俺、彼女出来たってバレない方が良いならそうするよ？MIYABIに迷惑かけたくないし」
「フフッ、ばーか。そんなの気にすんなって。雅紀自身がモテなくても良いなら好きにしたら良いよ。まぁ、あんまりイチャつかれるのは困るけど」
「じゃあ仲良くするのは人目の無い所にしようね、Aちゃん」

突然雅紀くんが私の顔を覗き込んで来ただけでも驚いたのに、台詞がまた刺激的で鼻血出そう。

「でも子さぁ。お前その内、萌え死ぬんじゃない？」
「萌えっ...！？」

何で私が雅紀くんに萌えまくってるの、二宮さんにバレるの！？
まさか二宮さんも『今の相葉さんってば萌えー！』とか思ってる！？ツボ、同じ！？
って、そんな訳無い。

「相葉さん、でも子はお前の漫画みたいな行動や台詞に殺されそうになってるから気を付けてやってよ？」
「漫画？そうかな」
「無自覚が一番怖いんだってば」

潤さんがやっぱり楽しそうに大笑いしてる。

「二宮さん、よくお分かりで...」
「まぁね。でも子、いちいち真っ赤になってるからね」
「うっそ！？」
「はぁ？お前も無自覚かよ」

二宮さんが、軽く睨むみたいにして笑った。