Clear‐Crane‐Crime 7th【ars M.A】 (ページ11)

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221.露わ。ページ11

24時間営業の量販店で、雅紀くんは何故かお菓子を大量に買って

私はアメニティには無かったメイク落としシートを買って

問題の下着はあんまり売って無くて、上はもう我慢して下だけ買う事にした。
せめて着けてるブラと色が合ってる物を...と選んでたら、横から雅紀くんが「何色か当てたい！」とか言い出して困った。

付き合ってみて、雅紀くんの子供っぽさって言うか高校生男子みたいな部分を知った。
それは何だか私まで高校生になった様にくすぐったくて、こんな風に笑い合う恋愛が久し振りで。

歯医者さんの時とも、DJの時とも、全然違う顔を見せてくれるのも嬉しくて。

黄色い買い物袋をぶら提げてホテルに帰る。
部屋に入ると、持ってたその袋を床に置いて雅紀くんはポスンとベッドに腰を下ろした。

「はー、やっと一息つけるね」
「うん、そうだね」

私もその隣に座る。

自分ちのベッドより、ちょっと高さがある。
それだけで、非現実。

コテンと、雅紀くんの頭が肩に乗った。

「雅紀くん、疲れた？」
「んー...ちょっとだけ」

あんまり口を開いて喋ってないのが分かる声。

「ヤキモチの妬き過ぎと心配し過ぎで、疲れた」
「え？」
「なんちゃって」
「フフッ」
「嘘でも無いけど」

肩に乗ってた重みがフっと軽くなったと思ったら、その肩をグイっと押されて

え？と雅紀くんを見上げると、唇が彼の唇で塞がれた。

下駄が、床に落ちる。

清潔な匂いがするベッドの上に押し倒されると、結んだ帯が背中に当たって少し痛かった。

それに気付いたのかどうか分からないけど、雅紀くんの腕が背中とベッドの間に入って来て私の身体を支えてくれる。

その間もずっとキスは終わらなくて、彼の熱い舌が口内を撫でて行く。

何も考えられなくなる。

頭が真っ白...と言うよりは、思考が停止してしまう感覚。

胸元から入った手が、浴衣の襟をズルリとずらした。

「黒だった」

ブラの肩紐を見て、雅紀くんが楽しそうに呟いて

鎖骨に唇を押し付ける。

露わになった肩を撫でられ

背中に当たってた帯は、雑に解かれてる事に気付いた。

脚なんて、きっともう丸見えになってる。

その脚に彼の手がスルリと滑り、全身が粟立つ。

「あっちぃ...」

呟き上体を起こした雅紀くんが、コメカミに流れた汗を手の甲で拭った。

大きく開いた襟元から素肌が見えて、吸い寄せられるように手を伸ばすと

彼は面白い玩具を見付けた子供みたいに目を開き、口角を上げた。