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桃『 ...隣におって良いに決まってるやろ 』
しばらく黙っていた望は、小さな声でそう言った。
「 ...え、」
驚いたような声を上げる私を、強い視線で望は見つめてきた。
桃『 俺がもしAに隣におってほしくないって思うてたら、今日こうして一緒に出かけようって誘うわけないやろ?』
確かにそうかもな...なんて思いながら、なにも言わずに望の言葉に頷く。
桃『 周りのことなんてどうでもええから、Aは俺の後ろやなくて、隣歩いて?』
「 ...良いの?望の迷惑にならない?」
桃『 なるわけないやん!』
「 ...そっか、良かった 」
まだ、人を好きになったり、信じることは、少し怖い。
...だけど。
望の言葉を信じてみても良いかなって、ちょっと思った。
そう思った裏にはきっと、
___せやから安心して、小瀧のこと信じてみ?
っていうしげの言葉がある。
桃『 .....ほんまは言いたくなかってんけどさ、』
望は私から目を逸らすと、手で自分の髪をわしゃわしゃと乱した。
桃『 神ちゃんとか流星にAと出かけるって言わんかった理由があんねん 』
望の言葉に、えっ、という掠れた声が出てしまった。
確かに、なんで私と2人で出かけるって神ちゃんと流星くんには言ってないんだろう、って気になりはした。
...もしかしたら、私と一緒なんて恥ずかしくて言えないのかもしれない、とも思った。
...理由って、なんなんだろう?
桃『 神ちゃんと流星に言うたらさ、絶対ついて来るやろ?俺、それが嫌やってん。.....どういう意味かわかる?』
望の言葉の意味を、真剣に考えてみる。
だけど、なにも答えらしいことなんて出てこない。
「 .....わかんない 」
散々悩んだ末、私は小さな声で望にそう言った。
桃『 なら、教えたる 』
頷いた望は、ぐいと顔を近づけてきた。
視界いっぱいに広がる望の顔や、近すぎる望との距離に、いやでも心臓の動きが速くなっていくのがわかる。
桃『 ...Aと2人っきりで出かけたかったからやねん 』
望の言葉に、更に心臓が跳ねる。
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有菜(プロフ) - はい!応援させていただきます! (2017年3月16日 9時) (レス) id: df1b5d06ad (このIDを非表示/違反報告)
茉莉(プロフ) - 有菜さん» コメントありがとうございます!ほんとに嬉しいお言葉ばかり、ありがとうございます!これからも応援よろしくお願いします! (2017年3月16日 9時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
有菜(プロフ) - 胸キュンがやばいです笑これからも更新頑張ってください!毎日楽しみにしてます。これからもドキドキするお話を待っています!このお話、大好きな作品です! (2017年3月16日 9時) (レス) id: df1b5d06ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽっぴん | 作成日時:2017年2月22日 16時