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『 にやけすぎやろ、』
「 うわっ 」
いきなり後ろから聞こえてきた声にびっくりしながら振り返ると、笑いを堪えたようなしげが立っていた。
「 なんだしげか、...びつくりさせないでよー 」
文句を言いながら、携帯の電源を切ってポケットに入れる。
赤『 なんだってなんやねん〜 』
そう言うとしげはいきなり、私の頬を摘んできた。
「 ちょっ、いたい...!」
赤『 あひゃひゃひゃひゃ!』
独特な笑い方で笑ったしげは、頬を摘んでいる手の力を緩めた。.....離してはくれないんだ。
赤『 俺と連絡先交換した時はあんなににやけてへんかったやんか〜 』
摘まれた頬が上下に動かされて、少し痛い。
「なんでしげと連絡先交換しただけでにやけなきゃいけないのよ 」
赤『 ...小瀧のやつ、ずるいわあ、ほんっまに 』
目の前にあるしげの顔が、少し寂しそうな色を浮かべた。
「 なに言ってんの?」
赤『 ...Aがあんな顔見せるんは、小瀧だけなんやもんなあ... 』
「 しげ?」
唇を尖らせて言うしげの言葉の意味がわからない。
しげはなにが言いたいんだろう...って疑問に思った時。
『 はい、いちゃつくん終わりー 』
という声が聞こえてきて、頬からしげの手が離れた。
『 お前らレジでいちゃつくなや、あほか 』
そう言って笑った人の顔を見て、私は少しびっくりした。
「 照史先輩... 」
赤『 おい照史!俺とAのいちゃいちゃタイムを邪魔すんなや!』
「 なに言ってんの!?」
橙『 お前ら1回黙ろか 』
意味不明なしげの肩を叩くと、けらけらと笑いながら照史先輩は言ってきた。
「 なんで照史先輩いるんですか?シフト違いますよね?」
橙『 ん?ああ、忘れもん取りに来ただけやで 』
「 あ、...そうだったんですか 」
橙『 おん。ほんなら俺帰るわ 』
「 あ、お疲れ様でした!」
赤『 おつかれー 』
いちゃつかんと仕事せえよ、って手を振りながら照史先輩は帰って行った。
赤『 ...照史のやつ...せっかくAと良い感じやったんに... 』
隣でぶつぶつ言っているしげは無視しておこう。
とにかく、照史先輩が間に入ってきてくれて良かった。
なんか、しげの様子おかしかったし。
隣のしげをそっと見遣る。
いちゃいちゃタイムだとか、良い感じだったとか、そういうことをしげが本気で言っているのか、はたまた冗談なのかは、わからない。
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有菜(プロフ) - はい!応援させていただきます! (2017年3月16日 9時) (レス) id: df1b5d06ad (このIDを非表示/違反報告)
茉莉(プロフ) - 有菜さん» コメントありがとうございます!ほんとに嬉しいお言葉ばかり、ありがとうございます!これからも応援よろしくお願いします! (2017年3月16日 9時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
有菜(プロフ) - 胸キュンがやばいです笑これからも更新頑張ってください!毎日楽しみにしてます。これからもドキドキするお話を待っています!このお話、大好きな作品です! (2017年3月16日 9時) (レス) id: df1b5d06ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽっぴん | 作成日時:2017年2月22日 16時