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声が聞こえた方を見ると、公園の出入口に、しげが立っていた。
カフェの制服を着ているしげは、息が荒くて肩を上下させている。
「 しげ... 」
『 重岡くん... 』
胸倉を掴んでいた手が、慌てたように離される。
私の周りを取り囲んでいた女の子達も、焦ったように離れて行く。
赤『 ...Aになにしてんねん 』
私の隣に立って低い声でそう言ったしげは、女の子達を睨みつけている。
その横顔は、時々しげが見せる、怖い顔だった。
『 いや、別に... 』
赤『 別にちゃうやろ。そんな大勢で1人いじめてなにがしたいねん 』
しげに睨まれて怯んだのか、女の子達は黙り込んでしまった。
赤『 俺、そういうやつが1番嫌いやねん 』
″ もう俺らに関わってくんな ″
しげは吐き捨てるようにそう言うと、私の腕を掴んだ。
赤『 行くで、』
しげに引っ張られるように、私達は公園を出た。
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赤『 大丈夫か?』
カフェの休憩室。
顔を覗き込んできたしげを見て気づいた。
額には、薄ら汗が浮かんでいた。
「 ...カフェから公園まで走って来てくれたの?」
赤『 まあ...うん 』
カフェの制服の裾で汗を拭おうとしたしげの腕を掴む。
「 ありがとう 」
そう言いながら、ポケットに入れていたハンカチでしげの汗を拭く。
結構距離が近くて、目の前にあるしげの目は少し見開かれた後、すぐ逸らされてしまった。
「 はい、使って良いよ 」
ハンカチを差し出すと、ありがと、って小さな声でしげはそれを受け取ってくれた。
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有菜(プロフ) - はい!応援させていただきます! (2017年3月16日 9時) (レス) id: df1b5d06ad (このIDを非表示/違反報告)
茉莉(プロフ) - 有菜さん» コメントありがとうございます!ほんとに嬉しいお言葉ばかり、ありがとうございます!これからも応援よろしくお願いします! (2017年3月16日 9時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
有菜(プロフ) - 胸キュンがやばいです笑これからも更新頑張ってください!毎日楽しみにしてます。これからもドキドキするお話を待っています!このお話、大好きな作品です! (2017年3月16日 9時) (レス) id: df1b5d06ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽっぴん | 作成日時:2017年2月22日 16時