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『 おい、なにぼけっとしてんねん 』
「 いたっ 」
いきなり後ろから頭を叩かれ振り返ると、いたずらを終えた後の子供みたいな笑顔を浮かべた男が立っていた。
「 ...やっぱりしげか 」
赤『 やっぱりってどういう意味や、A! 』
ここはレジだというのに、大声で喚く彼の名前は、重岡大毅。
高校1年生の時にクラスが同じで仲良くなり、なんの縁か知らないけど、2年生に進級した今年も同じクラスになってしまった。
しげとバイト先まで同じになったのはたまたま。
1ヶ月前この店にバイトの面接に来て、しげがいた時は、ほんとにびっくりした。
「 なんでしげがいるの、」
赤『 お前こそなにしに来たんや 』
お互い驚いた顔をしながら、そんなことを言い合った。
しげと私のそんなやり取りを聞いた店長の淳太さんは、
黄『 なんや自分、しげと知り合いなん?ほんなら採用したるわ 』
って、笑いながら言ってたっけ。
後から理由を聞けば、淳太さんはしげのいたずらに迷惑してるらしく、
クラスメイトであり仲が良い私が来れば、いたずらの標的が自分から私に移ると思ったらしい。
...まあ、結局そんなことはなかったんだけど。
「 ねえここレジだから。静かにしてよ 」
しーって人差し指を唇の前に持って行くと、しげは『ほいほーい』って如何にも適当な感じで頷いた。
赤『 あ、ありがとうございました!また来てくださいねー 』
突然しげが営業スマイルを浮かべて手を振った先には、お店を出ていく女子高生数人。
あの子らは週に3、4回はお店に来てくれている。
私もそんな彼女達に「ありがとうございました」と頭を下げてしげを見た。
「 ...ねえ、いい加減あの子ら相手にしてあげなよ 」
赤『え、なんで? 』
「 惚けるとか、しげも罪な男だわー。
あの子らがしげのこと気になってるの、あんたもわかってるでしょ?
さっきしげが手ぇ振った時の嬉しそうな笑顔見た? 」
赤『 別に興味ないからええねん 』
そう言ってぱたぱたと手を振るしげは、ほんとに″ 恋愛 ″っていうものに興味がないみたい。
「 しげモテるのに、勿体ないなあ 」
しげの人柄や甘い笑顔は色んな人を虜にする。
...虜にされた人達は、しげのいたずらな一面を知ったらどう思うんだろうか。
赤『 あほ。仕事戻るで 』
私に軽くデコピンしたしげは、空いた席を片しにレジから出て行った。
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有菜(プロフ) - はい!応援させていただきます! (2017年3月16日 9時) (レス) id: df1b5d06ad (このIDを非表示/違反報告)
茉莉(プロフ) - 有菜さん» コメントありがとうございます!ほんとに嬉しいお言葉ばかり、ありがとうございます!これからも応援よろしくお願いします! (2017年3月16日 9時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
有菜(プロフ) - 胸キュンがやばいです笑これからも更新頑張ってください!毎日楽しみにしてます。これからもドキドキするお話を待っています!このお話、大好きな作品です! (2017年3月16日 9時) (レス) id: df1b5d06ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽっぴん | 作成日時:2017年2月22日 16時