＃８９ ページ4
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「 ………は 」
咄嗟に出たのは、それだった。言葉じゃなかった。ただの声だった。…それだけ、私はしげの発言に驚いていた。
赤『 なんやねんそのマヌケ面 』
私の顔をチラッと見たしげは、そう言いながらため息をつく。……待って、なんで私呆れられてるの？元はと言えばしげが突飛な発言するから悪いんじゃん？？
「 急にどうしたの、まじで 」
赤『 はぁ？お前のこと下の名前で呼んでるやつなんてたくさんおるやろ、俺もその１人に入ってやろうって言うてるんやん 』
「 いや待って、なんで上から目線なわけ？」
赤『 うるせぇなぁ。……とにかく、お前が答えるべきは良いか悪いかのどっちかや 』
開き直ったようなしげの態度に、こちらもため息が出そうになる。別に下の名前で呼ぶのがダメなわけじゃない、……多分。…ただ気になるのは、しげがなんで突然こんなことを言い出したのか。
……いや、私が素直に頷けないのは、これだけが理由じゃないか。原因は絶対に、�霤沈萓犬澄�
先生に A と下の名前で呼ばれる度に、それを特別に感じていたのに。しげにまで呼ばれたら、その特別感がなくなってしまうような気がして。……だから私は 良いよ って素直に頷けないんだ。
私が黙り込んでしまったからか 村瀬？と顔を覗き込んできたしげは、少し心配そうな顔をしていた。
赤『 いやあの、お前のこと困らせてるんやったら、別に無理にやなくてもええんやで？これからも普通に村瀬って呼ぶし 』
私が嫌がってると思ったのか、しげは慌てながらそう言ってくる。そんな姿に、申し訳なさすら感じてしまう。
しげは私のことを気遣ってくれてる。ほんとに良い奴だ。…きっと、こうやって言うのもたくさんの勇気が要ったはずなんだ。
そんな、しげの優しさと勇気を、私のつまらない拘りなんかで踏み躙るわけにはいかない。嫌だ って言ったら、しげは笑顔で頷いて、心の中で泣いてしまうかもしれない。
「 ……良いよ 」
結局、私はしげを傷つけることはできなかった。頷くと、わかりやすくしげの表情が明るくなる。
赤『 ええの？ほんまに。お前、なんか嫌そうやったやん 』
「 大丈夫だから。……ほら、じゃあ早速呼んでみて？」
赤『 無茶なこと言うなや 』
「 ほら、早く！」
私に急かされ、しばらく黙った挙句 A と呟くように言ったしげの声は、聞き取るのがやっとなぐらい小さいものだった。
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め る * - とても面白くて、一気に一日で読んでしまいました笑 もうすぐ1月になってしまいますが、できたら続き見たいです…！ 待ってます、！ (2019年12月24日 22時) (
レス) id: d07093b007 (このIDを非表示/違反報告)
はりぼー(プロフ) - 昨日から読ませていただいており一気に読んでしまいました。ずっとどきどきして私の安定剤で本当にこの作品が大好きです。大変かと思いますが更新お願いします。待ってます。 (2019年9月27日 23時) (レス) id: c97bf726a8 (このIDを非表示/違反報告)
ポチャ桐子(プロフ) - 何時も楽しく愛読させて頂いてます。私は濱田担じゃ無いけどメンバーは全員好きなのでこれからも楽しみにしています。頑張って下さい。 (2019年6月11日 21時) (レス) id: bb8d77dd99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽっぴん
| 作成日時：2019年6月5日 19時
