＃６１ ページ14
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『 …なんでこれ、こんな無駄に本格的なん 』
着替えるスペースとして教室に用意されたのは、仕切るだけのカーテンだった。そこから出てきた執事姿の榛名は、不満そうな顔をして早川くんにそう零していた。
「 やっぱ榛名は何着ても似合っちゃうね 」
不機嫌そうな榛名とそれを宥める早川くんを遠巻きに見ながら呟く。隣には、小瀧が立っていた。しげは多分、男友達とどっかでふざけてる。
私の呟きに、隣からは何の反応もない。無視されてるのか、それとも私の独り言だと思われたのか………不思議に思いながら小瀧を見上げた私は、一瞬言葉を失ってしまった。
どこかを見つめている小瀧の目には、確かに何かの感情が篭っていて、とにかく、私が見たことのない小瀧の表情だった。……そして、その視線の先にいるのは、榛名しかいないんだ。
まさか… と思いながらも 小瀧？と名前を呼んでみる。私の声にハッとしたかのように、小瀧の顔がこちらに向けられた。
その目には、先程のような 何か は篭っていなかった。いつもの小瀧の目だった。
「 なにボーッとしてんの？大丈夫？」
桃『 え、俺ボーッとしとった？』
「 ……私が言ったこと、聞こえてないでしょ 」
桃『 …なんか言うてたっけ？』
首を傾げた小瀧は、いつものようにふざけている様子ではなかった。どうやら、ほんとに私の言葉が届いていなかったらしい。
「 …ねえ、もしかして小瀧って 」
何を思ったか、私は疑惑を確信に変えようとしていた。そのための言葉を発した時 A〜望〜 と、聞こえたのは榛名の声。
小瀧の方に向けていた顔をそちらに向けると、執事姿の榛名がこちらにフラフラと歩み寄ってきた。
『 私この格好ほんまに嫌やねんけど。Aもよくこんな本格的なの見つけてきたな 』
「 お店に置いてあったんだもん。でも榛名、すっごい似合ってるよ！……ねえ小瀧？」
桃『 …え？……ああうん、まあ、似合ってるんちゃう？』
『 うわ、望が言うたら全然信用できひんねんけど 』
桃『 お前それ、どういう意味やねん(笑) 』
こうしてまた、いつものように２人だけの空気感が作られていく。そして私は、これが好きだ。
好きだ と言えるのはきっと、２人の空気感がとても居心地が良いから。２人が、そうしてくれているからだ。
もしかして小瀧は… という思いはそっと、心の中に仕舞っておくことにした。
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ぽっぴん(プロフ) - かりんさん» そんなことないですよ！ほんとにありがとうございます！ (2019年6月4日 21時) (
レス) id: 1fa1f8a122 (このIDを非表示/違反報告)
かりん(プロフ) - ぽっぴんさん» とても人を惹きつける文章をお書きになるので尊敬していますm(_ _)m！ (2019年5月29日 0時) (レス) id: eff140c8c2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぴん(プロフ) - かりんさん» コメントありがとうございます！これからもよろしくお願いいたします！ (2019年5月20日 0時) (レス) id: 1fa1f8a122 (このIDを非表示/違反報告)
かりん(プロフ) - この作品大好きです！これからも楽しみにしています♪ (2019年5月16日 16時) (レス) id: eff140c8c2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぴん(プロフ) - はまねさん» コメントありがとうございます！これからもたくさんキュンキュンしていただけるように頑張りますね！ (2019年4月23日 21時) (レス) id: 1fa1f8a122 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽっぴん
| 作成日時：2019年3月17日 23時
