＃９ ページ9
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『 あれ、A１人？』
放課後の、私以外誰もいない教室に響き渡ったのは、聞き慣れた声。……もう、顔を上げなくたって誰だかわかる。
「 ……あ、�霤沈萓� 」
顔を上げて声の主と目が合った時、私は白々しく、彼の名前を呟くように言った。
紫『 真野としげと望は？いっつも一緒に帰ってるやん 』
「 私、今日日直だったのに日誌書くの忘れてて……だから今書いてるんです 」
紫『 あ〜〜、それはやらかしたな 』
先生は笑いながら開け放たれた窓に近づき 閉めても大丈夫？と聞いてきた。
多分先生は、教室の戸締りを確認しに来たんだろう。右手に鍵持ってるし。
はい と小さく頷くと ありがと と笑い、先生は順番に窓を閉めていく。
紫『 結構雨強くなってきたなあ……。あ、ちゃんと傘持ってきた？』
「 …… 」
問いに答えられない私に、先生はキョトンとした後 まさか… と小さな声で言った。
紫『 忘れたん？朝のニュースで昼から雨降るって散々言うてたのに 』
「 いや、忘れたっていうかなんていうか…… 」
モゴモゴとしゃべる私を見て、先生は更に不思議そうな顔をして首を傾げている。
「 さっきまで進藤さんがここにいたんですけど……傘忘れたって、なぜかすごい悲しそうで… 」
紫『 進藤が？なんで？』
進藤さんは、同じクラスの女子だ。可愛くて社交性があり、友達が多い子。特別仲が良いわけでも、悪いわけでもない。朝や帰りの挨拶は、目が合ったらするぐらいの関係だ。
私は日誌を書き、進藤さんは窓際に立って暗い雲と降り続ける雨をひたすら睨み続けてて。
２人っきりの空間での沈黙に耐えきれず、私は進藤さんに 帰らないの？と声をかけた。
すると進藤さんは泣きそうな顔でこちらに振り返り 傘忘れてん と零した。続けて 今日彼氏とデートなのに…… とも。
「 …デート…？」
『 そう。駅で待ち合わせしてんねんけど……こんな雨の中傘がなかったら行けへんし、それに……デートのために、髪の毛巻いてきたのに取れてまうやん…… 』
その話を聞き、なぜ彼女が帰らず泣きそうになっているのか、ようやく理解した。
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あたさん(プロフ) - 初コメです！もうほんとにほんとにキュンキュンしっぱなしです、！この作品めちゃすきです (2019年3月18日 16時) (
レス) id: 3f86506fc1 (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぴん(プロフ) - momo1013さん» コメントありがとうございます！とろけないように頑張ってください！（笑）これからもよろしくお願いします！ (2019年3月8日 14時) (レス) id: 1fa1f8a122 (このIDを非表示/違反報告)
momo1013(プロフ) - 更新お疲れ様です！�霤沈萓犬�好きすぎてとろけてしまいそうなです笑これからも応援しています！！ (2019年3月8日 0時) (レス) id: c43fc114f8 (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぴん(プロフ) - 山田さん» コメントありがとうございます！いや〜〜ほんと嬉しいお言葉しかなくて恐縮です…ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年3月7日 20時) (レス) id: 1fa1f8a122 (このIDを非表示/違反報告)
山田(プロフ) - うう〜〜今一番だいっすきな作品です！�霤沈萓犬�っこよすぎて好き〜、、となりますし、しげちゃんはしげちゃんでしげちゃんーーー！となります（ ; ; ）すごい綺麗で儚くてなんだかもうとてもこのお話が好きです。更新毎回楽しみにしてます、頑張ってください(^○^) (2019年3月7日 12時) (レス) id: 29496046fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽっぴん
| 作成日時：2019年2月17日 23時
