アン・コワン・アンソレイエ【 虹 】６

#２７５ ページ37

side：大毅









好きなやつが そばにいたい って言ってくれるなんて、……こんな幸せなことって多分、ないよな。



嬉しい、幸せ、純粋に。……そんな、ガキみたいな言葉しか出てこおへん。








「 ……大ちゃんのこと、好きになれて良かった。大ちゃんが私のこと、好きになってくれて良かった 」



そう零すAの横顔が、自惚れかもしらんけど、ほんまに幸せそうで。……その顔を横で見ることができる、この空間が、この時間が、俺には勿体なさすぎるほどの幸せで。






繋いでいた手を離して後頭部を優しく撫でると、Aはこちらを見て また？と笑った。






赤『 ええやろ、付き合ってるんやし 』







触れた唇は優しくて、たくさんの幸せが、身体中に溢れた気がした。









.









なあA、知っとる？




このシェアハウスの名前である『アン・コワン・アンソレイエ』の意味。





昔、っていうても俺がここに来たばっかの頃やったから、たった１年ぐらい前の話やねんけどさ、淳太がちょっと自慢気に教えてくれてん。







�� Un coin ensoleillé ��








フランス語のこれの意味は 陽だまり って意味やねんて。






このシェアハウスを、このシェアハウスのメンバーを照らして暖めてくれるAは、俺からしたらほんまに、陽だまりみたいなやつやねん。





せやから、大事にするから、たっくさん幸せにしたるから、ずーっと、笑っててや。









end＿

＃番外編→←#２７４

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す