アン・コワン・アンソレイエ【 虹 】６

＃２４１ ページ3

「 ………え……？」



望の言葉の意味がわからなくて、素っ頓狂な声が出てしまう。



私を抱きしめる腕に少し力を込めた望が口を開くと聞こえてきたのは、相変わらず不機嫌そうな声。








桃『 Aさんはいっつもそう。俺が歳下やからって、子供扱いしてばっかりやん 』


「 ……そんなこと… 」


桃『 あんねん。………あんなに頭撫でるのが、俺のこと子供扱いしてる証拠やろ 』




耳元で響く望の声に 確かにそうかもしれない と納得してしまう。



１個上の淳太くんや崇裕くんや照史くん、それに、同い年の大ちゃんやともちゃんや流星に対して、私は頭を撫でるなんてこと、できないかもしれない。






望が、不貞腐れたような態度をとるから。機嫌が悪そうだから。………早くいつもの望になってほしいと思った結果、私は頭を撫でていた。



……望はそれが 子供扱いされてる っぽくて嫌だったのかな………。








「 ………それは、ごめんね… 」


桃『 俺、子供ちゃう。１個しか変わらへんし、歳下やけど、Aさんのこと守りたいって、本気で思うてる 』


「 ……うん、ごめんね……… 」


桃『 なあ 』




腕を解くと、望は私との距離を少し空け、目を合わせてきた。肩に置かれた望の手には、痛いぐらいに力が入っている。









桃『 好きな人が他の男に感謝してる話聞いて、俺が傷つかへんと思う？』


「 …… 」


桃『 俺かて男やねん。俺やって………Aさんのこと、好きやねん 』


「 望…… 」


桃『 いつもへらへら笑っとるかもしれんけど、こうやって嫉妬したりしたら………笑ってられるわけ、ないやん 』





合った望の目は、なんだか泣きそうで。だけど確かに 強さ があった。いつもの望からは感じられない、そんなものだった。



そこから望の本気が伝わってくるようで、なんだか胸が締め付けられた。







桃『 なあ、どうやったら俺のことちゃんと男として見てくれるん？』


「 ……え…？」


桃『 淳太みたいに頭良かったら良い？�陲舛磴鵑澆燭い縫丱ぅ�乗せられたらええの？照史みたいに面倒見が良かったら？しげみたいに男らしかったら？神ちゃんみたいに優しかったら？流星みたいにイケメンやったら……？……俺もう、わからへんよ 』

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