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放課後の、駅のホーム。
照史くんは、気まずさなんて感じさせてくれないぐらい、いつも通りに接してくれた。
昼休みが終わって私を教室に送ってくれる時まで、笑顔だった照史くん。冗談を言って笑わせてくれてた照史くん。
無理させてたんじゃないかな って、思い出すだけで胸が痛む。
照史くんと気まずい思いをするのは嫌だから、ああして接してくれたのはほんとに嬉しかったし助かった。
だけど照史くんは………、ほんとのところは、どう思っていたんだろう。
泣きたいのは俺の方なんやから っていう照史くんの声が、耳にこびりついて離れてくれない。
やっと、答えを出せたのに。………誰かを傷つけるぐらいなら答えを出さなかった方が良かったのかもしれないと、そう思ってしまう。
「 ……はあ… 」
優柔不断な自分が嫌になって思わずため息を零した時。
とんっと背中に何かが触れて、いきなりのことに驚いて おわっ と変な声が出る。
慌てて後ろに振り返ると 変な声やな って、聞き慣れた声が。
その声を辿って顔を上げると、……そこにいたのは、私を見下ろして薄く笑う望だった。
「 人のこと驚かすなんて、ほんとに趣味悪いなあ 」
望にばかにされたことに少しむっとしながらそう言い、前を向く。
ごめんごめん って私の横に並んだ望は、やっぱりまだ、笑ってる。
横を見上げると目が合い、少し睨むと望は表情を柔らかくした。
桃『 Aさんが辛気臭い顔しとるから、元気出したろって思っただけやん?んな怒らんといてや 』
ちょっとだけ呆れたような望の言葉に え?って間抜けな声が出る。
「 ……私、辛気臭い顔なんかしてた?」
桃『 めちゃくちゃしてたで?しかもため息つき 』
「 うそ…… 」
桃『 うーわ、自覚ないとか1番やばいやつやん 笑 』
どうしたん?大丈夫?って背中を折って顔を覗き込んでくる望は、私のことをばかにしているのか、ほんとに心配してくれてるのか、よくわからない。
「 …………大丈夫、ではないかもなあ…… 」
私その言葉に望が驚いたような顔をした時、ホームに電車が滑り込んできた。
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音翔(プロフ) - お疲れ様でした。ほんとに大好きな作品で、更新を毎日楽しみにしてました!終わってしまうのがとても寂しいです。。また何度も読み返します!また素敵な作品を楽しみにしています! (2019年1月21日 23時) (レス) id: 16cd2408d1 (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぴん(プロフ) - よりさん» コメントありがとうございます!素敵だと言ってもらえるなんて身に余るお言葉ですありがとうございます( ; ; )これからも頑張っていきます! (2019年1月16日 21時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぴん(プロフ) - たこやき。さん» コメントありがとうございます!少しでもきゅんきゅんを届けていたらそれほど嬉しいことはありませんありがとうございます( ; ; ) (2019年1月16日 21時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぴん(プロフ) - き た む らさん» コメントありがとうございます!嬉しすぎるお言葉ですありがとうございます( ; ; )番外編!ネタがありましたら絶対書かせていただきます! (2019年1月16日 21時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
より(プロフ) - お疲れ様でした。本当に大好きな作品の一つでした。終わってしまって寂しい気持ちもありますが、素敵な作品をありがとうございました。 (2019年1月15日 18時) (レス) id: c591710770 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽっぴん | 作成日時:2018年9月6日 22時