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#254 ページ16

橙『 お気に入りの場所、教えたるわ 』




照史くんはほんとに、私の昼食を買ってくれた。


自分の分も買った照史くんは、メロンパンとクリームパン、そしてパックのリンゴジュースを持つ私を見て、いたずらっぽく笑いながらそう言ってきた。







どこだろう?と不思議に思いながら照史くんに着いていくと、校舎の最上階にある空き教室だった。




橙『 Aやから教えてあげるんやで 』





一緒に教室に入った時の、照史くんの言葉。



特別扱いされているようなその言葉が、どこか嬉しくて、だけど苦しかった。







照史くんと、1つの机に向かい合わせになって座った。



照史くんはいつも一緒にお昼を食べているという淳太くんと崇裕くんに、今日は私と食べることを手短に連絡していた。









橙『 ほな、食べよか!』


携帯をポケットに仕舞った照史くんの言葉に頷き、2人で いただきます と手を合わせた。






メロンパンを頬張って 美味しい!と声を上げた私に 俺の愛情が詰まってるからやな〜 って照史くんが冗談を言ってきて、それに2人で笑って。



些細で何気ない、明日になればきっと忘れてしまうような会話を照史くんとしながら昼食を食べるのは、とても幸せな時間だった。








橙『 ここ、誰も来やんし静かやから、ええ場所やろ?』


お互いに食べ終わった時、照史くんが満足そうにお腹を擦りながら聞いてきた。








「 うん。……私もたまにはここに来てみよっかな〜 」


橙『 あ、そん時は俺のことも誘えや?』


「 ふふっ、……うん、わかった 」






照史くんの言葉や仕草、ひとつひとつに、なぜか苦しくなっていく。



私自身その理由がわかっていなかったのに、照史くんは、いとも簡単にその答えを私に聞いてきた。









橙『 A、……………なんか、言いたいこと、あるん?』


「 ………えっ…?」



予想外の言葉に、反応がワンテンポ遅れた。………言いたい、こと。照史くんに。



………………そうか。…私、照史くんに言いたいことがあるんだ。






その内容がわかった途端 だから苦しくなっていたのか って1人で納得する。









橙『 なんとなくやけど、そう思ってん。……俺、意外と鈍感やないんやで?』




そう言って笑った照史くんはきっと、私の言いたいことが既にわかっているんだと思う。

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作品ジャンル:恋愛
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音翔(プロフ) - お疲れ様でした。ほんとに大好きな作品で、更新を毎日楽しみにしてました!終わってしまうのがとても寂しいです。。また何度も読み返します!また素敵な作品を楽しみにしています! (2019年1月21日 23時) (レス) id: 16cd2408d1 (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぴん(プロフ) - よりさん» コメントありがとうございます!素敵だと言ってもらえるなんて身に余るお言葉ですありがとうございます( ; ; )これからも頑張っていきます! (2019年1月16日 21時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぴん(プロフ) - たこやき。さん» コメントありがとうございます!少しでもきゅんきゅんを届けていたらそれほど嬉しいことはありませんありがとうございます( ; ; ) (2019年1月16日 21時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぴん(プロフ) - き た む らさん» コメントありがとうございます!嬉しすぎるお言葉ですありがとうございます( ; ; )番外編!ネタがありましたら絶対書かせていただきます! (2019年1月16日 21時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
より(プロフ) - お疲れ様でした。本当に大好きな作品の一つでした。終わってしまって寂しい気持ちもありますが、素敵な作品をありがとうございました。 (2019年1月15日 18時) (レス) id: c591710770 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽっぴん | 作成日時:2018年9月6日 22時

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