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#157 ページ10

『 そっちの子………彼女さん?』



彼女の視線が、私達の繋がれた手に注がれる。



勘違いされるのは流星に迷惑かと思って いや…… と言いながら手を離そうとすると、………私の手を握る流星の手に、力が込められた。




「 …流星………?」


びっくりしながら流星を見るけど ええから って首を横に振るだけ。


これ以上なにを言っても意味はなさそうだったから、私は黙った。






青『 ………前に話したやろ、俺の過去。……俺がこんなになったきっかけになった人、この人やねん 』


なんとも言えない表情で彼女を見つめる流星の言葉に、声が詰まる。



流星が女の子と遊ぶようになったきっかけとなった先輩が、この人…………………確かに流星が好きになるのも頷けるぐらい、可愛くてスタイルが良い。






『 あたしの学校にも流星とヤ ったって子が何人かおってんけど………あたしのせいで女子とそういうことしまくるようになったって、ほんまやったんや 』


そう言って緩く口角を上げる彼女に、なんだかいらいらしてくる。


流星をたくさん傷つけたくせに………今更なにしに来たの?







青『 ……リリさん…なにしに来たん。彼氏でも待ってるん?』


『 …ま、そんなとこかな 』



どうやら リリさん というらしいその人は、頷くと流星に近づいた。




『 せやけど、流星がまだあたしのこと好きって言うんやったら、彼氏より流星のこと優先してもええけど 』



流星イケメンやし って微笑む彼女は、私のことなんて見えていないかのように、流星の胸に手を置いた。







青『 ………まだそうやって、彼氏以外の男にも手ぇ出してるんやな 』


『 悪い?……ってか、流星だって彼氏おる女にも手ぇ出してるんやろ?』


青『 …… 』




自分のせいだってわかってるくせに、なんでこんな挑発的なことを流星に言うの……お願いだから、もうこれ以上なにも言わないでよ……





彼女にぶつけたい言葉はたくさんあるのに、声として出てこなくて……それが無性に悔しい。




流星を見ていた彼女の目がこちらに向けられ 怒ってるやん って鼻で笑われる。






『 この子と付き合ってもないくせに手ぇ繋いでるんや。………ははっ、人のこと勝手に恨んで勝手に色々やってるみたいやけど…………流星も大概、あたしと変わらんやろ 』









もう、我慢の限界だ。

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ぽっぴん(プロフ) - ポチャ桐子さん» お優しい言葉をかけていただけるだけで救いになります( ; ; )本当にありがとうございます…! (2018年7月11日 19時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
ポチャ桐子(プロフ) - 大変でしたね、こんな言葉だけじゃ何の助けにもならないけど頑張って下さいね、ずっと応援しています。 (2018年7月11日 8時) (レス) id: bb8d77dd99 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - ですよね!私も隅に行きます笑 (2018年6月9日 23時) (レス) id: fcaac9151c (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - 私、今大学生なんですけど、高校の頃、ぽっぴんさんと同じこと思ってました。 (2018年6月8日 22時) (レス) id: 61a68463b3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぴん(プロフ) - みなみさん» ほんとですかありがとうございます!( 笑 ) (2018年6月8日 22時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽっぴん | 作成日時:2018年5月18日 19時

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