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案の定、廊下はものすごい人で溢れていた。
その人の中心にいるのは、やっぱり流星で。
どうしよ、こんなにいたら声かけられない………困り果て、意味もなく肩に下げたリュックの紐を掴んだ時。
自分の周りを囲む女の子を適当にあしらっていた流星の目が、私を捉えた。
目が合ったから、軽く手を振ってみると、流星は ごめん、もう行くわ って女の子を掻き分けながら私の前に来た。
「 …ごめんね、待たせちゃって…… 」
青『 ええよ別に。急に来た俺も悪かったし 』
流星は後ろで騒ぐ女の子達をちらっと見て 一緒に帰れる?って聞いてきた。
「 …うん、大丈夫、だけど……… 」
青『 なら行こ 』
流星が私の腕を掴んで歩き出した途端、さっきの女の子達が悲鳴に近い声を上げた。
青『 ……うるさ… 』
「 …ねえ、放っといて大丈夫なの……?」
青『 相手にしとく方がめんどくさいやろ 』
流星が私の腕を掴んだまま歩くから、すれ違う女の子達の視線が痛い。
嫉妬とか、羨望とか、色んな感情が混じった目で見られるのは、なんだか怖い。
その怖さからか、無意識のまま掴まれていない方の手で、私の腕を掴む流星の手を握っていた。
青『 ………どした?』
私が急にそんなことをしたからか、流星は立ち止まって、心配そうに顔を覗き込んでくる。
「 …………女子の視線が痛い、というか………怖い…です……… 」
流星の隣を歩く私は、他の女の子達に良く思われるわけがない。
明日の朝、これから先、何かされちゃうんじゃないかって、少女漫画の世界のようなことを考えてしまう。
俯く私をふっと笑った流星は、掴んでいた手を離して、そのまま、私の手を握ってきた。
幸い、ここは周りにはほとんど人がいない階段の真ん中辺りで。
色んなことを想像して勝手に臆病になっている私には、こうして握ってくれる流星の手の温かさや大きさが、頼もしく感じられる。
その大きな手をぎゅっと握り返すと、流星も私を安心させるためにか、更に握る手に力を込めてくれる。
その優しさに、なんだか落ち着いてくる。
青『 大丈夫、俺が守るから 』
こんなかっこ良すぎる言葉をさらっと言ってしまう流星は、ずるすぎると思うんだ。
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ぽっぴん(プロフ) - ポチャ桐子さん» お優しい言葉をかけていただけるだけで救いになります( ; ; )本当にありがとうございます…! (2018年7月11日 19時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
ポチャ桐子(プロフ) - 大変でしたね、こんな言葉だけじゃ何の助けにもならないけど頑張って下さいね、ずっと応援しています。 (2018年7月11日 8時) (レス) id: bb8d77dd99 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - ですよね!私も隅に行きます笑 (2018年6月9日 23時) (レス) id: fcaac9151c (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - 私、今大学生なんですけど、高校の頃、ぽっぴんさんと同じこと思ってました。 (2018年6月8日 22時) (レス) id: 61a68463b3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぴん(プロフ) - みなみさん» ほんとですかありがとうございます!( 笑 ) (2018年6月8日 22時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽっぴん | 作成日時:2018年5月18日 19時