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#154 ページ7

『 Aちゃん!』



翌日の放課後、神ちゃんとサキと話しながら帰りの準備をしていると、教室のドアの方から名前を呼ばれた。



顔を上げると、クラスの女子がこちらに向かって手を振っている。





『 藤井くんがAちゃんのこと呼んでるで!廊下で待ってるからはよ出たってな〜 』


「 あ、うん、ありがと…!」


藤井って………流星のこと、だよね?




昨日の朝以来、大ちゃんと流星とはあんまり話してない。


私自身なにを話せば良いのかもわからないし、2人もあまり話しかけてこなかったから。





「 ……昨日のことかな…… 」


神ちゃんにだけ聞こえるような声で言うと かもな って頷かれた。


やっぱそうだよね…… とため息をついた時、いきなり、がっと肩を掴まれた。





『 ちょっとA!あんた、藤井くんと仲良かったん?』


私の肩を掴んできた犯人は、どうやらサキで。……すごい剣幕でそう聞いてくるサキを見て、流星の人気っぷりを思い出す。


いつも放課後になると廊下が騒がしくなるのは、2年の大ちゃんと神ちゃんと流星のせいかもな… って少し冷静に考える。





「 ……え、あ、まあ… 」


シェアハウスしてるから なんて、言える気がしない。


サキにはシェアハウスのことは言うタイミングを逃してしまって、話せていない。


でもまあ、あの7人の人気を考えれば、誰にも話さない方が良いんだろうな。





『 あのAがなんで藤井くんと?きっかけは?どんぐらい仲ええの!』



質問攻めをするサキに、困りきってしまう。


そんなに詳しくは答えられないし、流星を待たせているのなら早く行きたい。





そっと神ちゃんの方を見て助けを求めると、察してくれたように微笑まれた。




緑『 サキ、質問は今度にせえって。今は流星んとこに早く行かせたって 』


『 でもさあ 』


「 お願いサキ、多分、待たせてるから… 」




そう言うと、サキは渋々というように引き下がってくれた。


今度詳しく聞かせてよ!っていうサキの言葉を背に、私は神ちゃんに軽くお礼を言ってリュックを引っ掴んで廊下に飛び出した。

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ぽっぴん(プロフ) - ポチャ桐子さん» お優しい言葉をかけていただけるだけで救いになります( ; ; )本当にありがとうございます…! (2018年7月11日 19時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
ポチャ桐子(プロフ) - 大変でしたね、こんな言葉だけじゃ何の助けにもならないけど頑張って下さいね、ずっと応援しています。 (2018年7月11日 8時) (レス) id: bb8d77dd99 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - ですよね!私も隅に行きます笑 (2018年6月9日 23時) (レス) id: fcaac9151c (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - 私、今大学生なんですけど、高校の頃、ぽっぴんさんと同じこと思ってました。 (2018年6月8日 22時) (レス) id: 61a68463b3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぴん(プロフ) - みなみさん» ほんとですかありがとうございます!( 笑 ) (2018年6月8日 22時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽっぴん | 作成日時:2018年5月18日 19時

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