アン・コワン・アンソレイエ【 虹 】４

＃１９５ ページ48

side：緑









しばらく、夜道を２人黙ったまま歩く。



Aがなんか考え込んでるような顔してたからあんま話しかけん方がええかもな とか思ったけど。


せっかく２人っきりになれたチャンスなんやし、思い切って話しかけよう。






緑『 なあ、A 』


「 ……………ん？」


緑『 ごめん、なんか考え事してたやんな？』




いつもよりAの反応が遅かったから謝ったけど、Aはそれを、笑い飛ばした。




「 全然大丈夫だよ、大したこと考えてなかったし 」



絶対うそや。


俺にも、俺以外にも告白されて、Aは考えなあかんこといっぱいあるやろうに。


Aはいっつもそう。俺らに心配も迷惑もかけへんように、見えんところで気ぃ遣ってくる。




大丈夫だよ なんて笑顔で言われたら、これ以上つっこむわけにいかんやんか。








「 …で、どうしたの？」


緑『 ああいや、俺も大したことちゃうんやけどさ 』


「 うん 」




ああもう、ほんまにこういうとこ！大したことない言うてるのに、なんでそんな真剣な顔で聞けんねん。






緑『 俺な、ずっと思っててんけど…… 』


「 うん 」


緑『 …なんで俺のことだけ、下の名前で呼んでくれへんの？』


「 ………………………え 」




Aは俺の言葉に一瞬驚いた後、すぐに笑い始めてしまった。







「 ちょっ、真剣な顔してなに言ってんの！」


緑『 いや、俺結構考えてたんやからな？！�陲舛磴鵑癲△泙靴討笋靴欧里海箸泙撚爾量樵阿埜討鵑任鵑里法△覆鵑撚兇世運世舛磴鵑覆鵑笋蹐辰董�』


「 んはははは！……うん、ごめんね？笑 」





もうこいつ、ずっと笑ってるやん。笑いすぎて涙出とるし。


ちょっとムカつくけど、こういうところもAらしかったりする。






緑『 なんか呼びづらい理由でもあんのかなって考えて、だったらもうちょい優しく接してみようとか、ほんまに色々考えててんから！』


「 もう、ごめんって！」


緑『 ………………俺のこともちゃんと、下の名前で呼んでや。不公平や 』


「 んー、……………じゃあ、ともちゃん、とか？」





……やば、想像しとったより破壊力がでかいな。

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