#192 ページ45
side:A
「 ………私… 」
緑『 うん 』
「 …………………………ごめんなさい、……まだ、話せない…… 」
私の帰りが遅くなってしまった理由。それは即ち、私の過去にも触れてしまうことにもなるわけで。……やっぱり怖い。まだ話せない。
そっか って頷いた神ちゃんは、抱きしめてきていた腕を解いて、顔を覗き込んできた。
眉を下げて笑う神ちゃんの優しい笑顔は、いつ見ても落ち着く。
「 …………怒る…?」
緑『 …しゃあないから怒らへん。今回は許したる 』
んはは って神ちゃんは笑うと、その大きな手で私の頭をぽんぽんと撫でてくれた。
……神ちゃんは優しすぎる。どの行動も神ちゃんの優しさからくるもので、与えられてばっかりの私は、どうしても申し訳なくなる。
「 ……私ね、ずっと申し訳なかったの。…みんなが過去を話してくれるのに、私はなにも話してなくて…… 」
私の言葉に少し驚いたように目を開いた神ちゃんはやがて、ふわりと笑った。
緑『 そんなん、気にしやんでもええのに 』
予想外の優しい言葉に へ?と間抜けな声が出る。
緑『 俺らは、Aに話したいと思ったから過去を聞いてもらった。…せやからAも、自分のタイミングで話してくれればええんやで?』
「 ……神ちゃん… 」
緑『 Aが思い詰める必要なんかないで。もうちょい気楽に考えなあかん!』
神ちゃんの言葉に、気遣いに、泣きそうになってしまう。
私が深く考えていたことをあの言葉だけで汲み取ってくれて、救い出してくれる神ちゃんは、ほんとにすごすぎる。
「 ……でもどっかで、みんなにちゃんと聞いてもらいたいって思ってる自分もいるの 」
緑『 うん 』
「 ……話したいけど、今は話したくないっていうか…… 」
顔を上げると、優しく微笑んだ神ちゃんと目が合う。
我が儘…だよね って自嘲気味に笑ってみせると んなことないわ って神ちゃんは柔らかい笑顔をくれる。
だけどその笑顔をふっと消したかと思うと、
緑『 ……俺の方がよっぽど我が儘やで 』
って、意味深な言葉を呟くように言った。
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ぽっぴん(プロフ) - ポチャ桐子さん» お優しい言葉をかけていただけるだけで救いになります( ; ; )本当にありがとうございます…! (2018年7月11日 19時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
ポチャ桐子(プロフ) - 大変でしたね、こんな言葉だけじゃ何の助けにもならないけど頑張って下さいね、ずっと応援しています。 (2018年7月11日 8時) (レス) id: bb8d77dd99 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - ですよね!私も隅に行きます笑 (2018年6月9日 23時) (レス) id: fcaac9151c (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - 私、今大学生なんですけど、高校の頃、ぽっぴんさんと同じこと思ってました。 (2018年6月8日 22時) (レス) id: 61a68463b3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぴん(プロフ) - みなみさん» ほんとですかありがとうございます!( 笑 ) (2018年6月8日 22時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽっぴん | 作成日時:2018年5月18日 19時