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『 じゃあね、A!』
「 うん、ばいばい、気をつけてね 」
ありがと!って言いながら手を振ってくるサキに手を振り返し、教室から出て行くのを見送った。
もう放課後。夕焼けのオレンジに包まれた教室には、私以外、誰もいない。
望に告白されてから、1週間近く経っていた。……私はまだ、誰の気持ちにも答えを出せていない。
それなのに、崇裕くんも、大ちゃんも、流星も、望も、……そんな私に普通に接してくれる。…それがどれだけ助かってるか、みんなはわかってるかな。
あんなにバチバチしてた崇裕くんも流星も、今は元の関係に戻って、ふわふわとした会話をしてる。4人同士が前みたいに仲良くやってくれてるのも、気を遣わなくて私は助かってる。
「 ………はあ… 」
ため息を吐き、手にしていたシャーペンを握り直す。
日直になってしまった私は、日誌の存在をすっかり忘れてて。
それで今、放課後に残って書くことになってしまった。……自業自得だけど、面倒くさすぎる。
サキは 書き終わるまで待ってるから一緒に帰ろ!って言ってくれてたんだけど、バイトがあったらしくて、帰ってしまった。
4人のことがぐるぐると頭の中を回っていくけど、今は目の前の日誌に集中しなきゃいけない。
「 ……えっと、今日の時間割は… 」
黒板の横にあるホワイトボードに、1週間の時間割が書かれてる。
今日の曜日のところを見て、
「 ……化学…現代文……体育… 」
と呟きながら、日誌の1番上の枠を埋めていく。
6限の枠まで書き終わって、その下にたくさんある線見てため息が出そうになる。
担任は 1日あったこととか自分のこととか適当に書いとけばええねん!って言ってたけど、それだけで13行を埋められるかな………うちの担任は最低13行書かないと提出って認めてくれないし……そうなると、明日も日直しなきゃいけなくなるし……
出てきそうになったため息を飲み込んで、
「 今日は、天気が、良いです。……良すぎて、暑い… 」
とひとりごとのように言いながら、線を埋めていく。
化学の先生がしてくれた息子さんの話、現代文の先生の笑って良いのかわからない冗談、体育は体育祭の練習をしたこと、………色々書き連ねていくと、意外にも、あっさりと13行は埋まった。
「 ……終わったー…!」
終わった達成感でシャーペンをぽいっと投げ出した時 A? と聞き慣れた声に名前を呼ばれた。
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ぽっぴん(プロフ) - ポチャ桐子さん» お優しい言葉をかけていただけるだけで救いになります( ; ; )本当にありがとうございます…! (2018年7月11日 19時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
ポチャ桐子(プロフ) - 大変でしたね、こんな言葉だけじゃ何の助けにもならないけど頑張って下さいね、ずっと応援しています。 (2018年7月11日 8時) (レス) id: bb8d77dd99 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - ですよね!私も隅に行きます笑 (2018年6月9日 23時) (レス) id: fcaac9151c (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - 私、今大学生なんですけど、高校の頃、ぽっぴんさんと同じこと思ってました。 (2018年6月8日 22時) (レス) id: 61a68463b3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぴん(プロフ) - みなみさん» ほんとですかありがとうございます!( 笑 ) (2018年6月8日 22時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽっぴん | 作成日時:2018年5月18日 19時