#116 ページ18
「 全部食べれちゃった…… 」
空になったお椀を見て、自分でも呆れてしまう。え、風邪引いてる時ってこんなに食欲あるもん?久々の風邪だからわかんないや。
そんなことを1人で考えているとドアがノックされて、私の返事も待たずに開けられた。
橙『 食べれた?』
照史くんはこちらに近づいてきて、お盆に載せられた空のお椀を覗き込んで笑った。
橙『 Aの胃袋どうなってるん?笑 』
「 ……神ちゃんのお粥が美味しすぎたもんで、つい… 」
なんだか恥ずかしくなってきて口篭ると、照史くんは小さく笑った。
橙『 待ってて、薬持ってきたるから 』
照史くんはお盆を持って部屋を出ていくと、すぐに薬と水が入ったコップを手に戻ってきた。
「 …風邪薬あったんだ 」
橙『 今はそうでもないけど、しげとか身体弱かったし、いつなにがあっても大丈夫なようにって買ってんねん、……ほれ 』
「 ありがと。……大ちゃんが身体弱いってなんか意外 」
鍛えたみたいでがっしりした大ちゃんの身体を思い出す。……身体が弱いようには思えない、寧ろ強そう。
そんなことを考えながら、私は箱から錠剤を取り出して、水と共に流し込んだ。
橙『 薬も飲んだし、昼までゆっくり寝とく?』
「 ……うん、ちょっとしんどいしそうするね 」
橙『 ん、わかった。………はよ寝とき 』
促されてベッドに横になると、照史くんは丁寧に布団を掛けてくれた。
薬のせいか、満腹感のせいか、照史くんの優しさせいか、___どれかはわからないけれど、なんだか急に眠くなってくる。
橙『 昼にまた起こしに来るから。一緒に昼飯食おうな 』
私の頭をぽんっと撫で、薬とコップを持って部屋を出ていこうとする照史くんを、気づけば 待って と掠れた声で呼び止めていた。
ん?と首を傾げた照史くんが、こちらに振り返る。
「 …なにからなにまで、ほんとにありがと 」
照史くんがいないと、私は1人のまま、このシェアハウスで風邪に苦しんでただろうな。
だから、誰かが、ううん、照史くんがそばにいてくれることが、ほんとに心強くて嬉しいんだ。
照史くんは くはっ と笑った後、
橙『 俺の大好きなうどん作ったるわな 』
そう言って部屋を出ていった。
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ひなこ - 初めまして!とても面白いです!シゲが出てくる度にドキドキキュンキュンしてます! (2021年8月2日 14時) (レス) id: c6b0eb0aa4 (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぴん(プロフ) - Yukoさん» コメントありがとうございます〜〜!崇裕くんのことたくさん出しちゃいました!( 笑 ) もうお言葉が嬉しいものばかりでほんとに恐縮です…ありがとうございます…!これからもよろしくお願いします! (2018年5月10日 0時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
Yuko(プロフ) - はじめまして。紫担の裕子です。濱ちゃんが登場してきて、ドキドキしながら読んでいます。更新が待ち遠しくて、たまりません。何度も読み返してキュンキュンしています。応援してます。頑張ってください!乱文失礼しました。 (2018年5月6日 16時) (レス) id: 326d509d03 (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぴん(プロフ) - 紫春さん» コメントありがとうございます!え!!担当全く同じですよ!私もにのしげ担!!お仲間ですね!すごい!!!なかなか出会わないので貴重です…!これかもよろしくお願いいたします! (2018年4月30日 0時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
紫春 - いつも更新楽しみにしてます!!!この話が大好きで、毎日更新待ってます!作者さんはちなみにニノと重岡担ですか?私は二人が担当なので同じだとしたらものすごく嬉しいです!これからも楽しみにしています!! (2018年4月29日 6時) (レス) id: 8db4ba7a0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽっぴん | 作成日時:2018年4月20日 20時