アン・コワン・アンソレイエ【 虹 】２

＃８８ ページ39

「 ……あ、流星だ 」





崇裕くんと神ちゃんと共に電車が来るのをホームで待っていると、反対側のホームに流星がいた。



……だけど、流星は１人ではなかった。



隣にいる女の子は、………彼女さん？




流星の腕に自分の腕を絡ませて歩く女の子は他校の子で、見たことはない。


髪の毛は派手な色に染められていて、耳ではピアスが揺れ、化粧もとても濃い。



隣を歩く流星は無表情だ。あんな顔見たことないけど、流星は彼女さんと一緒にいて楽しくないのかな……。




私の言葉で流星を見つけた崇裕くんと神ちゃんは、顔を見合わせてどこか気まずそうな表情をしている。




「 …流星ってああいう子がタイプなんだね 」




何気なく呟くと、


紫『 ああ、いや、そういうわけやないんやで？』


って崇裕くんが慌てたように私の方を見る。




緑『 Aが来てからはなくなってたんやけどなあ…… 』


流星を見つめながらそう零す神ちゃんの横顔は、どこか寂しそう。






『 あれ、彼女ちゃうで 』


「 うわっ 」



突然後ろから聞こえてきた声に、びっくりしながら振り返る。




紫『 なんや、望か…… 』


緑『 急に声かけんといてや、びっくりするやん 』



驚く私達に ごめんごめん と適当に謝った望は、崇裕くんと私の間に無理矢理入ってきた。



隣にいるのが崇裕くんか望かってだけで、こんなに緊張するもんなんだ……とどきどきし始めた心臓を誤魔化すように考える。





「 ……じゃあ、あの子は誰なの…？」


今朝のことを思い出してしまって、どうしても望の顔が見れない。



……だけど今気になるのは、流星の方だから。




ゆっくりと望を見上げると、彼は流星の方を見ながら無表情で言い放った。



桃『 ただの遊び相手やろ 』

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