アン・コワン・アンソレイエ【 虹 】２

＃８７ ページ38

紫『 Aちゃん！』




帰りのHRが終わると、そんな声が聞こえてきて。



顔を上げると、教室のドアのところで崇裕くんがぶんぶんと手を振っていた。





「 崇裕くん 」


緑『 �陲舛磴鵑笋� 笑 』



隣にいた神ちゃんと共に手を振り返すと お邪魔しま〜す ってふざけた声で言いながら崇裕くんは教室の中入ってきた。




紫『 なんか１年の教室来るの緊張した〜！』


そう言って胸を撫で下ろしている崇裕くんが面白くて笑ってしまう。隣を見ると、神ちゃんも笑っていた。





緑『 そんなに緊張するぐらいだったらなにしに来てん 笑 』


紫『 いや、Aちゃんと一緒に帰ろうかな〜と思って！』


「 え、私？」



予想外のことに驚く私に向かって そう！と頷く崇裕くんは、にこにこと笑っている。




紫『 なんか、朝元気なかったからさあ 』



崇裕くん、まだ私のこと気にしてくれてたんだ……



そういう優しさが崇裕くんらしくて、なんだか胸が温かくなる。





「 私はほんとに大丈夫だから！心配かけてごめんね？……でも、せっかくだし一緒に帰ろっか！」


私がそう言うと おう！とまた笑ってくれる。





緑『 �陲舛磴鵝�俺は〜？』


紫『 あ、神ちゃんも一緒に帰ろうな 』


緑『 俺のこと忘れてたやろ！』


紫『 忘れてへんわ！』



訝しがる神ちゃんと弁解する崇裕くんの言い合いを聞いていると �陲舛磴鸚菁據�って声が聞こえた。



紫『 おお！久しぶりやなあ！』



忽ち、崇裕くんが私の同級生に囲まれる。





緑『 �陲舛磴鷂機好丱好栄瑤笋辰董�後輩にも人気なんやで 』



耳打ちで教えてくれた神ちゃんの言葉に なるほど って納得する。



崇裕くんの人柄ならきっと、たくさんの人に愛されるんだろうなあ。





緑『 っていうかA 』



名前を呼ばれたから、崇裕くんを見ていた目を神ちゃんの方に向ける。





緑『 朝に元気なかったってどういうこと？』


「 いや、あれは崇裕くんが心配しすぎなだけで……！」


緑『 …まさか、俺が朝色々とAに押しつけてもうたから……？』



心配そう聞いてくる神ちゃんに そんなんじゃないから！と首を横に振る。





「 神ちゃんに心配かけたお詫びがしたいだけだって言ったでしょ？」


緑『 …それならええんやけど… 』


神ちゃんがまだ納得してなさそうに頷いた時、後輩に解放された崇裕くんが ごめんごめん！と笑いながら私達のもとに戻ってきた。

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