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「 ここか…… 」


学校から電車に3駅ほど乗り、そこから歩いて10分ぐらいのところに、シェアハウスはあった。



メモ通りに来たから、方向音痴の私でも迷わずに来ることができてほんとに一安心。





ここのことは、私はよくわからない。全部、母さんがやってくれたから。




白塗りの大きなシェアハウスは洋風で、なんだか周りから浮いているような気がする。



看板を見つけて、そこに駆け寄る。


白い看板には、シェアハウスの名前が書いてあって、その下には取って付けたような『満室』と書かれたプレートがぶら下がっている。





携帯を取り出してメモを開き、そこに書かれた文字と看板を見比べる。









「 ……アン・コワン・アンソレイエ、………うん、ここだ 」


やたら覚えづらい名前のこの場所が、今日から私の家みたい。




「 アンソレイエ、か。……イエと家でもかけてんのかな 」


自分でもわかるぐらいしょうもないダジャレを言って ふっ と笑った時。



後ろから えっ という声が聞こえてきた。






慌てて振り返ると、ふわふわとした茶髪とたらこ唇が印象的な男の人が立っていた。



よく見たらこの人、私と同じ学校の制服着てる。





胸元にある校章の色が違うってことは、学年も違う。


1年には見えないし、ってことは先輩の3年かな。






『 …今、なんて言いました?』


さっきからずっと驚いたように目を見開いた彼は、小さな声で聞いてくる。







「 え?……あ、もしかして聞いてました!?」



私のあんなしょうもないダジャレ、もしかしてこの人に聞かれてたの…!?






そう思うと、急激に恥ずかしくなってくる。







『 そうです!もう1回言ってもらえませんか!』


一気に距離を詰めてきた彼の眼差しは、なぜかキラキラしている。




きれいな目に怯みそうになりながらも、なんとか口を開く。






「 …ここが、アンソレイエって名前だから、イエと家、かけてるのかなあ……って 」


『 すごい!ほんまにすごい!』




興奮した口調の彼は、……いきなり握手をしてきた。

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ぽっぴん(プロフ) - もんさん» たくさんお話あるのに、ありがとうございます…!こちらこそ読んでいただきありがとうございますですよ!!これからもよろしくお願いします! (2018年5月24日 20時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぴん(プロフ) - 望美さん» コメントの返事遅れてすみません〜!これからも、重岡くんはもちろん、他のメンバーさんでもドキドキしていただけるように頑張ります…! (2018年5月24日 20時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
もん - 一気に読んでしまいました!素敵な作品ありがとうございます! (2018年5月24日 20時) (レス) id: ba6056559b (このIDを非表示/違反報告)
望美 - 重岡くんにいつもキュンキュンしながら読ませていただいてます! (2018年4月21日 22時) (レス) id: 432bb1cd17 (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぴん(プロフ) - みなみさん» ありがとうございます!移行させていただきました! (2018年3月27日 1時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽっぴん | 作成日時:2018年2月16日 23時

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