#17 ページ17
紫『 牛乳って結構すぐなくなんねんなあ〜 』
片手では牛乳が入ったレジ袋、もう片手では私の腕を掴んだまま歩く崇裕くん。
「 …崇裕くん?」
紫『 ん?』
「 家具屋さん、こっちじゃなくない?」
スーパーを出た崇裕くんは、私の腕を引っ張り、家具屋さんとは真逆の方に歩き始めた。
戸惑う私を余所に そうやっけ〜?って惚けてる崇裕くんの考えてることがわからない。
紫『 あ、こっち 』
なにを言っても崇裕くんには通用しなさそうだから、黙って歩いていると、……ぐいっと腕を引っ張られた。
ここは公園なんだって、ブランコや滑り台とかの遊具を見てわかる。
紫『 ついてきて 』
私の腕を引っ張って、どんどん公園の奥へと進む崇裕くん。
どこに連れて行かれるんだろうってどきどきしてる私の目に飛び込んだのは、………鮮やかなピンク色だった。
紫『 この公園の桜、Aに見せたかってん 』
「 きれい…… 」
大きな木と、広がる枝に咲いたたくさんの桜。
そのピンクと夕方のオレンジは、見事なコントラストを織り成していて。
圧巻すぎるその景色に きれい という陳腐な言葉しか、私は言えなかった。
紫『 淳太と照史にな、Aを元気づけるためにここに連れてってやってくれって頼まれてん 』
きれいやろ?って言葉に、頻りに首を縦に振る。
そんな私を見て笑う崇裕くんの笑顔は、なぜか嬉しそうだ。
紫『 しげのこと、ほんまに深く考え込んでも大丈夫やからな。Aちゃんのことなら、受け入れてくれると思うから。……せやから、』
言葉を切った崇裕くんは、桜にを見ていた目をこちらに向ける。
合った崇裕くんの目は、崇裕くんの性格が滲み出ているかのように優しい。
紫『 Aちゃんは頑張って、しげと向き合ってやってな 』
あの睨んできた目を思い出せば、不安しかない。
私に対して警戒と不快と嫌悪を持っているあの男の子と、私は挫けずに向き合えるのか。あの男の子は、こんな私を受け入れてくれるのか……。
だけど、隣にいる崇裕くんときれいな景色、……優しさに包まれたこの場所にいたら、なんだかなんでもできるような気がして。
「 ……頑張る 」
ひとりごとのように呟いた私の言葉に、崇裕くんはまた、優しく笑った。
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ぽっぴん(プロフ) - もんさん» たくさんお話あるのに、ありがとうございます…!こちらこそ読んでいただきありがとうございますですよ!!これからもよろしくお願いします! (2018年5月24日 20時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぴん(プロフ) - 望美さん» コメントの返事遅れてすみません〜!これからも、重岡くんはもちろん、他のメンバーさんでもドキドキしていただけるように頑張ります…! (2018年5月24日 20時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
もん - 一気に読んでしまいました!素敵な作品ありがとうございます! (2018年5月24日 20時) (レス) id: ba6056559b (このIDを非表示/違反報告)
望美 - 重岡くんにいつもキュンキュンしながら読ませていただいてます! (2018年4月21日 22時) (レス) id: 432bb1cd17 (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぴん(プロフ) - みなみさん» ありがとうございます!移行させていただきました! (2018年3月27日 1時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽっぴん | 作成日時:2018年2月16日 23時