アン・コワン・アンソレイエ【 虹 】

＃１１ ページ11

橙『 荷物の量、引っ越しにしては少なくない？』


「 そんなにいるものないかなあと思って……ベッドとかテーブルとかはこっちにあるって聞いたし 」



必要なものがあったらあっちで買いなさい って母さんに言われた。仕送りはちゃんとしてあげるから って。






「 …それだけ私のこと、遠ざけたいのかな… 」


呟いた声は小さすぎて、誰にも聞こえなかったんだと思う。



なんか言った？って首を傾げてる３人に なんでもない！って首を横に振る。






黄『 Aな、この家の名前のダジャレ、唯一気づいてくれたんやで 』


淳太くんの言葉に え！？って崇裕くんと照史は目を見開く。






橙『 あんなしょうもないの、ようわかったなあ！』


「 いや、なんとなく思っただけっていうか…… 」


紫『 それでもすごいやろ。ここ来た時淳太に言われて、しょうもなさすぎて逆に笑ってもうたもんな 』




それわかるわー！そうやんな？って盛り上がってる２人を見て呆れたように笑いながら、淳太くんはこちらを見る。




黄『 部屋案内したるわ。荷物も整理したいやろうし 』


「 あ、うん、お願いします 」



段ボールを持とうとすると あかんあかん！って崇裕くんと照史くんに制される。




紫『 これ結構重いねんから、Aちゃん１人や持てんやろ。……照史、１個持って 』


橙『 あいよ 』




優しすぎる２人に ありがとう って言うと 気にせんで って笑ってくれる。



淳太くんも崇裕くんも照史くんも、どこまで優しすぎる人達なんだろう。

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