あなたの笑顔の理由になりたい【青】 (ページ14)

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「 ……ううん、良いの」

青『え？』

首を横に振った私を、藤井くんは不思議そうな目で見つめてきた。

「藤井くんが大好きだった彼女さんのこと、話せる限りで良いから、私にも聞かせて？」

青『いや、でも… 』

あなたが口籠もったのは、私があなたに寄せてる好意のことを思い出したから？

「 …大丈夫だから。その彼女さんの話を聞けば、藤井くんの理想がわかって、私、藤井くんに振り向いてもらえるように、頑張れるからさ、……だから、」

私の言葉は、あほか、っていう藤井くんの短い一言に遮られた。

「 ……え、」

青『 Aが死んでもうたあいつに近づこうとしてどうすんねん。

俺は好きになるやったら、ありのままのAを好きになりたい。

……せやから、無理すんな。

大丈夫って強がって、聞きたくない話聞こうとするAなんか、見たくない』

「 ……藤井くん… 」

強い口調の裏にあるのはきっと、不器用な彼の優しさ。

私にこう言ってくれたのも、私が傷つかないためなんだ。

なにも考えてないように見えて、実は色んなことがちゃんと見えてる藤井くんに、更に〝好き〟が募る。

「 ………藤井くん、…大好きだよ」

思わず零してしまった私の言葉を聞いた藤井くんは、なにも言わずに手を伸ばして、頭を撫でてくれた。