１０５ ページ7
さっきまで私が淳太の腕を掴んでいたはずなのに、いつの間にかそれは逆になっていて。
私の両腕は淳太の手に掴まれて、白いシーツの上に押さえつけられていた。
でもそれは、決して強い力ではなくて。
目の前にある淳太も、微笑んでて、優しい顔をしてた。
「 え、……ちょっ、なに… 」
突然のことに、心臓がばくばくとうるさい。
黄『 …あんま、男を煽るようなことはしたらあかんで？』
小首を傾げた淳太は、見たことない、妖艶な表情をしてた。
「 …煽ってなんか、ないけどっ…… 」
ありえないほど速く動いている心臓の音を誤魔化すように、そう反論してみる。
黄『 無意識なんが１番あかんわ 』
だけどその反論は、淳太に鼻で笑われた。
「 ……ちょっ、いきなり大人の男みたいになるのやめてほしいんだけどっ… 」
黄『 そんなこと言われてもなあ、……もう俺、今年で３０の男やで？』
どんな反論も、淳太の大人の余裕には敵わなくて。
こういう時に、自分はまだまだ子供なんだなって、痛感する。
どんなに背伸びしてみたって、大人である淳太には、届かないんだ。
黄『 ちょい、そんな泣きそうな顔せんといてや、なにもせえへんから 』
淳太は慌てたように笑うと、掴んでいた私の腕を引っ張って身体を起こさせた。
ベッドの上で、淳太と向かい合うように座ってる。
黄『 怖がらせてもうた？』
心配そうに顔を覗き込んでくる淳太に、精一杯首を横に振る。
「 私はまだ高校生だから、…どんなに頑張ってもまだまだ子供で、淳太には届かないんだなって思ったら、なんか、悲しくなっちゃってっ…… 」
黄『 A… 』
淳太が辛そうに眉を下げる。……そんな悲しそうな顔をさせてしまったのが自分だってだけで、悔しくなる。
俯いた私の頭に、淳太の大きな手が置かれた。
顔を近づけてきた淳太は、優しく笑ってて。
黄『 大丈夫やで、Aはしっかりしとるし、充分、きれいで、立派な大人やから 』
「 淳太っ…… 」
あいつに穢された私のことを、それでも、きれいだと淳太は言ってくれた。
黄『 おわっ 』
嬉しくて嬉しくて、気づけば淳太の首に両腕を回して抱きついていた。
「 ……ありがとう 」
色んな感謝を込めて言うと、別にええよ、って淳太は笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 749人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
(*≧∀≦*) - 素敵な話をありがとうございます。告白のシーン、夜中に見てヤバくて続きが知りたくてしょうがなくて結局おまけまで、見てしまいました。(*≧∀≦*)これからも、頑張って下さいね。応援していまーす。(*^ω^*)こんな時間にすみませんでした。 (2017年10月12日 1時) (
レス) id: fcb5e99237 (このIDを非表示/違反報告)
茉莉(プロフ) - 木坂さん» コメントありがとうございます！全ての言葉が、本当に嬉しすぎます！本当にありがとうございます！番外編、楽しみにしていただけると嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2017年8月21日 13時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
木坂(プロフ) - お疲れ様でした。ありがちな恋の作者を見た時に「さすが」と声が漏れてしまいました笑いつも楽しく見させていただいております。今回も最高でした。次回作も楽しみにしております。頑張ってください。ありがちな恋、お疲れ様でした！ (2017年8月20日 2時) (レス) id: 437f64176f (このIDを非表示/違反報告)
茉莉(プロフ) - なーりさん» コメントありがとうございます！はい！書かせていただくので、楽しみにしていてください！ (2017年8月19日 23時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
茉莉(プロフ) - ななかさん» コメントありがとうございます！番外編、頑張って書かせていただくので、楽しみにしていただけると嬉しいです！これからも応援よろしくお願いします！ (2017年8月19日 23時) (レス) id: a5448099dd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽっぴん
| 作成日時：2017年7月29日 12時
