ご主人はドSな誘拐犯 ＊莉 犬＊

＊ ６話 ＊ ページ8

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最近、なぜか…



「ん〜」



莉犬さんが抱きついてきます…！




『ど、どうしたんですか…？』



「んぅ〜！いい匂いする〜！」



腰に腕を回して隙間がないくらいピッタリと抱きついてくるから少し困る。


それにお腹に顔を埋めて匂いを嗅いでくるものだから少しくすぐったい。





『は、離れてください…！』


「なんでぇ？おれのこと…きらい？」




…うぅ、この体勢だから莉犬さんが上目遣いになってしまう…


か、かわいい…



『嫌いではないですけど…！！』


「なら交渉成立〜！」



最近ずっとこんな感じで困ってます…！！





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今日も今日とて莉犬さんが…


って、あれ！？抱きついてきてない…！？




少し回りを見渡して扉の隙間からベッドの上に座る莉犬さんの後ろ姿を見つける。





『莉犬さん…！！』


呼ぶと耳をピクッとさせ、こっちに振り向く。




「あ、君か…」


あれ、いつも ご主人様、でしょ？ って言ってくるのに…

内心、お仕置きされたいな なんて思ってるなんて認めたくはない。




『どうかされましたか…？』


「…実はね」






すると…



「じーっ」



扉の方から誰かの声がした。





「…ぃ、やばい、…」


『え？』


突然、莉犬さんが呪文を唱えるかのように小声で何かを言い始めた。





さっきの謎の声がした扉の方をまた見てみる。




『…え』




そこには…





「…どーも。」


水色の髪をした男の子が扉の隙間から此方を見ていた。




「ひっ…！！」


莉犬さんは、頭を抱えて恐る恐る後ろを振り向く。

凄い顔が真っ青…





「失礼しまぁす…」

扉を開けて部屋に入るなり、私をじーっと睨み付ける。


え、私何かしました…？





「…ひぃ…っっ」




この子…


莉犬さんに少し似ている…


左右の目の色が違うけど莉犬さんとは違う。

左目が黄緑っぽい色で右目が桃色っぽい。

語彙力が皆無の私では表せない色。


要するに不思議な色だ。



莉犬さんと同様 犬の耳があり

莉犬さんの耳はピーンってなってるけれど

この子は、ぺたっとたれている。


か、かわいい…！


身長も私と同じくらい…！！





「や、やっほー…り、りけん…くん…」


莉犬さんの震えた声から微かに りけんくん と聞こえた。



この子りけんくんって言うのかな。

可愛いなあ。



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