＊ 青 ＊ 激甘彼氏 に ご注意を ＊ 短編集 ＊

＊２話 ページ3

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『…ふぅ』


パタン、と難しい文字ばかりが記入されている書類を閉じる。


朝は、どうなる事かとヒヤヒヤしたけど
お母さんが ご飯食べなさい って言ってくれたお陰で、ころちゃんが諦めてくれた。



朝ご飯、先に食べてて良かった…

と安堵の胸を撫で下ろす。


裏腹に


お母さんが声かけなかったら…

なんて顔を熱くしながら妄想してしまう。



窓の隙間から通り抜けてくる風が顔に当たる旅

ひんやりして気持ちよくって思わず頬が緩んでしまう。




早朝の教室は、何時もみたくガヤガヤしてなくて

しーん、と静まり返ってて少し寂しい。


そんな寂しい教室に私だけ ぽつん と独り




早く…誰か、来ないかな。




こんな時、どうしていつも頭に浮かんでくるのは


彼なのだろうか…？




きっと、さっきの事でいつもより意識しちゃうんだ。

うんうん、と頷いてるや否や






ガラッと扉を開けて、私の方に歩み寄ってくる彼は





「僕を置いてっちゃうなんて 悪い おねーちゃん …だね？」





毎回毎回、良い意味で 期待を裏切ってくる。



いっつもいっつも…

ほんと、ずるいよ？そーゆーとこ。


でも、嫌いじゃないかもしれない。





「 お仕置き って…すき？」


『す、すきじゃなんか…っ』



ギシッ、と椅子が軋んだかと思えば

膝掛けに手が置いてあって、膝を私の足の間に入れてて


かっこいい ころちゃん の顔が 真正面にあった。




『ひゃっ……ん、ぅ』


グリグリ、と膝で変なとこを突いてきて

可笑しな気分になる。



「じゃあ、 お仕置き …きらいなのぉ？」


『ふっ…ぅ、…ぃ…き、らいっ…』


ふぅん、と自分から聞いてきたくせに興味無さそうな返事が返ってくる。





「だったらぁ……やーめたっ」



『…ぇ、？』


予想外の言葉に 口から抜けていくように間抜けな声が出る




『な、んで、…っ？』





「えぇ？だぁってぇ…」


「おねーちゃんに きらわれたくないもん…」




嫌われたくない？だから、やめたの？

私が お仕置き 嫌いって言ったから…？




『さ、さっきのは…っ！』



「……さっきのは？」


さっきの涙ぐんだ可愛い顔とは

打って変わった 雄(おとこ)の顔







やられた…



私は、なんで忘れてたのだろうか。


ころちゃんが赤ちゃんっぽい喋り方をするときは

何か、 いけない(意地悪な) 事を企んでいるとき…




まんまとハマってしまったようだ。



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