参拾陸.紅弁慶 ページ39
「お"そい”っ！！」
ドスの利いた声で私の鼓膜を殴る湯婆婆。
貴「なに…？」
湯「お前に話があるっていうのに、お前が何も聞かずに出てっちまうんだ…！」
貴「どんな話…？」
湯「お前さん、この世界で…私に仕事を与えられたとき、何があったか覚えているかい…？」
貴「は…？」
ないがあったか…？
2年前、わたしがこの世界に踏み入り、湯婆婆と契約した日…？
貴「…」
正直、これと言って覚えているものは何もない。
だが、湯婆婆直々に聞いてくるということは、何かがあったからだ。
なにか…、なにがあったんだ…？
湯「わからない、覚えていない。そう言いたげだね…」
貴「実際、覚えてないし…」
物忘れがある方ではないと思う。
寧ろ、記憶力は良い方だったはず。
その自分が覚えていないということは、これといって自分の頭に残るような出来事ではなかったからなのでは、ないだろうか。
けれど、そんな些細なことを覚えているかどうか聞くのは…不自然にもほどがある。
なら、その何か大事なことをわたしが忘れている…
なんだ…？
湯「花…」
貴「っ！！」
花…
思い出した…
貴「カランコエの、はな…？」
湯「そう…あの日、私とお前の間に大きな花が咲いた。
カランコエの花だ…」
貴「別名、紅弁慶と呼ばれる花…」
湯「おや、お前さんに花の知識があったとは…」
貴「向こうの世界にいたとき、教養をつけるようにと、小さい頃から華道をやらされていたから…」
湯「華道、ねぇ…」
お父様は堅実な方だった。
お父様は自分に満足していた。
だからお父様は、わたしにもそれを望んだ。
大人になったわたしに、満足するために、教養、常識、社交を求めた。
小さいころから。
湯「その紅弁慶が、お前さんを守ったといったなら、お前はどう考える…？」
続く
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雪華(プロフ) - いえいえ( ´∀｀)これからも無理しない程度に頑張ってください！ (2018年9月2日 23時) (
レス) id: f84b103640 (このIDを非表示/違反報告)
白虎(プロフ) - 雪華さん» いえいえ、こちらとしては指摘も優しい口調とゆーか、相手が傷つかないようにコメントしてくれる優しい人なんだなと感じました(*´ω｀*)ありがとうございます (2018年9月2日 22時) (レス) id: 6af44721dc (このIDを非表示/違反報告)
雪華(プロフ) - 全然大丈夫です！ワタシ、ナニもミテナイOK？（笑） こちらこそ差し出がましい真似をしてしまいすみません。向上心があって素晴らしいですね。この作品大好きなのでお願いされなくてもよろしくします！！（いやむしろさせてください！笑） (2018年9月2日 21時) (レス) id: f84b103640 (このIDを非表示/違反報告)
白虎(プロフ) - 雪華さん» コメントありがとうございます。指摘(？)についてですが、架空の世界でのお話なので、そこは目を瞑っていただけたらなと…wですが、そーいうコメントは今後の勉強にもなるので嬉しいです！今後もこの作品をよろしくおねがいしますm(_ _)m (2018年9月2日 21時) (レス) id: 6af44721dc (このIDを非表示/違反報告)
雪華(プロフ) - 私もあまり詳しくはないのに口を出してしまってすみません。長文失礼しました。 (2018年9月2日 19時) (レス) id: f84b103640 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白虎さん。 | 作成日時：2016年10月4日 16時
