参拾参.嫉妬 ページ36
貴「人間…？」
リ「あぁ、なんでも湯婆婆が気に入ったらしいぜ？」
翌日、ハクの仕事を押し付けられ、結局徹夜になってしまった。
そして仮眠をとっている間、朝の集会でハクから人間の紹介があったらしい。
貴「わたし、聞いてない…」
にしても、だ。
リ「は…？」
貴「…どーいうこと？」
おかしい。
貴「千は…？」
千「？」
貴「その人間見た？」
千「はい、えっと…」
貴「どんな容姿？」
千「多分、歳は私とあまり変わらないくらい…？結構な美人さんでした。」
貴「ふーん…で、湯婆婆がなんだって？」
リ「だから、気に入ったんだと！」
貴「なんで？」
リ「オレが知るか、よ！！」
リンは湯桶にこびり付いた汚れを、束子で力いっぱい擦りながら言った。
湯婆婆が気に入るだなんて…
貴「なにか自分に利益があるような見込みがあるのか、なんとなくでよっぽど気に入ったのか…」
後報告もされないその人間の事が頭の中で引っかかったままのわたしは、その日は上の空だった。
リ「(人１)！おい(人１)！」
自分の仕事をしていれば釜爺の処にいるはずのリンは、わたしに手招きをしながら大浴場を覗き込んでいた。
また仕事を放って後輩に押し付けるだなんて…
貴「うるさいなぁ…なに？アンタ仕事は？」
リ「そんなことより、あいつだよ。言ってた人間！」
リンは指を指さなかった。
貴「どれ？」
分かる訳がない。
湯女は腐る程居る。
リ「あの黒髪。」
貴「黒髪なんかいっぱいいるだろ！」
リ「だからあの髪を一括りにして、特別粧してる奴だよ！」
やっとわかった。
貴「…あの子、湯女なんだよね？」
リ「あぁ。」
なら…
貴「何で化粧なんか…」
リ「なんでもハクが彼奴に渡した箱の中に一式入ってて、それを使うよう言われたんだとよ。」
ハクが…？
貴「ふーん…」
ハクがそんなことするとは思えない。
けど、湯女や遊女の間ではそれが広まっているのだろうか？
だとすれば、それを御恵投だとするだろう。
けれど、それは違うはず。
あの子は若いうえに美人。
だからだ。
湯婆婆が与えろと言ってハクに持って行かせたのだろう。
きっとそうだ。
きっと、そうだ。
貴「わたし、仕事に戻る。」
リ「ん。」
リ「なんだこれ…？黄色い
薔薇…？」
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雪華(プロフ) - いえいえ( ´∀｀)これからも無理しない程度に頑張ってください！ (2018年9月2日 23時) (
レス) id: f84b103640 (このIDを非表示/違反報告)
白虎(プロフ) - 雪華さん» いえいえ、こちらとしては指摘も優しい口調とゆーか、相手が傷つかないようにコメントしてくれる優しい人なんだなと感じました(*´ω｀*)ありがとうございます (2018年9月2日 22時) (レス) id: 6af44721dc (このIDを非表示/違反報告)
雪華(プロフ) - 全然大丈夫です！ワタシ、ナニもミテナイOK？（笑） こちらこそ差し出がましい真似をしてしまいすみません。向上心があって素晴らしいですね。この作品大好きなのでお願いされなくてもよろしくします！！（いやむしろさせてください！笑） (2018年9月2日 21時) (レス) id: f84b103640 (このIDを非表示/違反報告)
白虎(プロフ) - 雪華さん» コメントありがとうございます。指摘(？)についてですが、架空の世界でのお話なので、そこは目を瞑っていただけたらなと…wですが、そーいうコメントは今後の勉強にもなるので嬉しいです！今後もこの作品をよろしくおねがいしますm(_ _)m (2018年9月2日 21時) (レス) id: 6af44721dc (このIDを非表示/違反報告)
雪華(プロフ) - 私もあまり詳しくはないのに口を出してしまってすみません。長文失礼しました。 (2018年9月2日 19時) (レス) id: f84b103640 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白虎さん。 | 作成日時：2016年10月4日 16時
