9-14.瞬きの間に ページ14
神童先輩の困ったような笑みと共に繋がれた言葉に怯えつつ、自分のポジションに立つ。今回は相手チームのボールでキックオフだ。白竜くんはフォワードなので、当たり前だが一番雷門ゴールに近い位置にいる。
＿＿この異様な緊張感はなんだろう。
白竜くんが相手チームにいるということも関係しているとは思うが、そもそも聖堂山のメンバーを前にすると、何か圧迫感というか迫力というか、そういったものを感じる。統率の取れた戦士の集まり、というようなイメージだ。
会場の準備が整い、試合開始を告げるホイッスルが高らかに鳴った。屋内スタジアムのためか、音が反響していつもより音がはっきりと聞こえる。
「今！ 戦いの火蓋は切って落とされました！ 決勝へ勝ち進むのはどちらなのか！？」
ボールは相手の１１番から白竜くんへ。
そこからはあっという間だった。
ドリブルしてるいとは思えないスピードで、白竜くんが私と剣城くんの間を駆け抜けていった。風のほうが遅れてやってくる。
「な、えっ！？」
「下がるぞ！」
剣城くんに一拍遅れて私も守備に戻る。しかし白竜くんの背中は遠のくばかりだ。向こうはドリブルしていて、こちらはただ走っているだけだというのに。
「スパイラル＿＿」
天馬くんが必殺技の構えをとったが、それすらもかわして白竜くんはどんどん突き進む。バランスを崩した天馬くんが転んだ。
「霧野！ 狩屋！」
ゴール前を固める二人が、白竜くんの前に立ち塞がる。しかし、白竜くんは焦った様子もなく高らかに叫んだ。
「来い！ 聖獣シャイニングドラゴン！！」
白竜くんの背後でフィールドがぼこりと隆起する。地面を蹴破って現れたのは、あの真っ白な龍だ。それが翼を動かすとフィールドに風が吹く。
「行くぞ！」
彼の太い声に肌がビリビリと痺れるようだった。
シャイニングドラゴンのもとへボールは浮かんでいき、目を細めなければならないほどの光がボールを包む。
白竜くんが高く舞い上がり、そのボールを力強く蹴った。
「＿＿ホワイトブレス！！」
衝撃波がフィールドに広がり、ディフェンダーたちが弾き飛ばされる。信助くんは必殺技を出そうとしたが、それより早くシュートが信助くんを襲った。小さな彼の姿を巻き込みながら、シュートは雷門ゴールに突き刺さる。
「ゴーーーーーール！ 聖堂山いきなり先制点！！」
目の前の光景が信じられなかった。＿＿速攻どころの話ではない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 94人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
春間(プロフ) - ミリアさん» 申し訳ないのですが、青天以外の小説を執筆する予定はありませんので、今回はご遠慮させていただきます。お誘いありがとうございました！ (2021年3月6日 19時) (
レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 一緒に合作しませんか？ (2021年3月6日 19時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)
春間(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます！ 実はイナイレ以外のアニメにあまり詳しくなく……ちゃんと全話観たのはギャグマンガ日和やここはグリーン・ウッドです！ (2021年3月6日 16時) (レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 知ってるアニメは何ですか？ (2021年3月6日 13時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：春間 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時：2021年2月20日 21時
