9-13.数奇な再会 ページ13
剣城くんが思わずと言った様子で呟いた。
聖堂山のメンバーと共に白竜くんが並んでいる。聖堂山のジャージを身に纏って。
「えっ……白竜くんって、聖堂山の生徒だったの！？」
「らしいな。聞いたことはなかったが」
他の面々も白竜くんがいることに気づき始め、天馬くんも「白竜！？」と驚きの声を上げる。
「おーい！ 白竜！」
信助くんが元気に手を振ると、白竜くんはこちらを見て不敵に笑った。
私は彼と河川敷でサッカーをした時のことを思い出していた。凄まじい存在感と、見ているだけで足がすくむようなあの化身。
私たちはこれから、とんでもない人を相手にしなければならないのだ。
.
フィールド自体は、何の変哲もない芝のフィールドだった。＿＿スタジアムの天井に、巨大な扇風機のような装置が取り付けられていることを除いては。
「見間違いじゃなかったみたいだな」
剣城くんの視線が相手ベンチに注がれている。
歩く度に揺れる銀髪、堂々とした立ち振る舞い。相手ベンチにいるのは、聖堂山中のユニフォームに身を包でいるのは間違いなく白竜くんだ。
彼は雷門の選手が入場したことに気付くと、真っ直ぐにこちらに歩いてきた。
「やはり雷門はここまで勝ち進んできたか。だがそれもここまでだ。この試合、聖堂山が勝たせてもらう」
剣城くんはその言葉を聞くと、呆けていた顔を引き締めて「望むところだ」と返した。
「Aも、全力でかかってこい」
白竜さんの赤い目が私を射抜く。彼の熱がまっすぐに、痛いぐらいに伝わってきた。彼の中の雷門と戦う準備が＿＿覚悟が見えた。
私たちはこれから白竜さんと戦うのだ。その実感がじわじわと湧いてきて、身体が震えた。それは恐怖かもしれない。
武者震いかもしれなかった。
「うん……うん。わかった」
白竜くんは力強くうなずいた。
「ホーリーロード準決勝は、雷門中対聖堂山中！ 昨年のホーリーロードでは決勝で争った二校が、またもぶつかることとなりました！！
会場はここ、サイクロンスタジアム！！ 激戦が予想されます！！」
観客席から大きな歓声が上がる。始まる前だがかなり温まっているようだ。
「このスタジアムはどういう仕掛けがあるんですか？」
「あの大きな装置から風が発生するんだ」
神童先輩は天井に取り付けられた装置を指した。
「向かい風で進めないとかですか？」
「それで終わってくれたらいいんだが。竜巻には気を付けろ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 94人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
春間(プロフ) - ミリアさん» 申し訳ないのですが、青天以外の小説を執筆する予定はありませんので、今回はご遠慮させていただきます。お誘いありがとうございました！ (2021年3月6日 19時) (
レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 一緒に合作しませんか？ (2021年3月6日 19時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)
春間(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます！ 実はイナイレ以外のアニメにあまり詳しくなく……ちゃんと全話観たのはギャグマンガ日和やここはグリーン・ウッドです！ (2021年3月6日 16時) (レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 知ってるアニメは何ですか？ (2021年3月6日 13時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：春間 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時：2021年2月20日 21時
