5-19.診察 ページ19
翌日は部活が休みだったため、私は朝一番で稲妻総合病院に来ていた。と言うのも、診察を勧める神童先輩や葵ちゃんたちの表情に妙に気迫があって、何がなんでも行かなければという使命感に駆られたからだ。
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「＿＿はい、軽い打撲だね。一応湿布を出しておくので、気になったら貼ってください」
白髪まじりのお医者さんはカルテを見ながら言った。
「他にも、何か異変があれば来てください」
「わかりました。ありがとうございました」
お大事に、という先生の言葉を受けながら、私は病室を後にした。診察結果は全身の軽い打撲。頭の方は異常なし。念のため脳の検査もしたが、特に変わったところは見られなかった。人間というのは、私が思っているよりも丈夫にできているらしい。
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湿布を受け取り、帰り道をゆったりと歩いていると、道の少し先に見知った後ろ姿が見えた。
「優一さん？」
思わず声が漏れて、その人物＿＿優一さんがこちらを向く。彼は私の姿を見つけるとにこりと微笑んで、松葉杖を脇に挟んだまま器用に手を振った。
「Aさん、こんにちは」
「こんにちは」
しかし優一さんは、私の手元を見てわずかに表情を曇らせた。「えっ」と戸惑いの声を上げると、彼は「ああ、いや」と首を振った。
「どこか悪いのかと思って」
「ああ！ いえ、大丈夫です」
さっきのは心配の表情だったのか。私が試合中に障害物にぶつかった話をすると、優一さんは納得の言葉を返した。
「試合、観に行ったよ。君がぶつかったのは知ってたけど、病院に来るぐらいひどいのかと思ってね」
「全然、そんなことないですよ」
「それならよかった。俺も診察の帰りなんだ」
途中まで道が同じだということで、私と優一さんは一緒に帰ることになった。
「やっぱり、化身の力って圧倒的だなって思ったんです」
「確かに、試合を左右することが多いね」
「私も化身を出せたら、もっとチームの役に立てるのに……剣城くんは、どうやって化身を出せるようになったんでしょう」
「……そういえば、いつなんだろう。知らないな」
優一さんでも知らないのか、と少し不思議に思ったが、次の瞬間ある考えが頭に浮かんだ。
＿＿フィフスセクターの訓練を受けた時かもしれない。
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春間(プロフ) - お褒めいただけて→褒めていただけてです。すみません。 (2020年10月18日 15時) (
レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
春間(プロフ) - 蒼乃さん» コメントありがとうございます！ 力を入れて書いているところをお褒めいただけて、本当に嬉しいです。励みになります！ (2020年10月18日 15時) (レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃(プロフ) - 青天の霹靂、とても面白いです！原作後のお話というものをまったく見たことがなかったので新鮮な気持ちで読めました！1からお話を考えられていて、夢主ちゃんの初心者ならではの葛藤や努力する姿、試合の展開など描写が丁寧で尊敬です！これからも応援しています！ (2020年10月17日 15時) (レス) id: efefd3992b (このIDを非表示/違反報告)
春間(プロフ) - ねぐせさん» コメントありがとうございます！ 読んでいただけるだけで嬉しいのに、嬉しいお言葉までいただいて……感慨無量です；； 本当にありがとうございます。これからも頑張ります！ (2020年10月7日 22時) (レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ねぐせ(プロフ) - それでも一歩一歩成長していることにようやく実感を持てて一安心の夢主ちゃん、そんなストーリーが既存キャラクターたちと上手く波長が合っていて、違和感なく気持ちよく読めました！これからも応援しております。長文失礼しました。 (2020年10月6日 12時) (レス) id: a583664816 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春間 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時：2020年9月7日 13時
