4-6.黄昏時の出会い ページ6
河川敷の自主練が自然消滅してから家にいる時間が増えた分、それこそ家にいても解決しないようなことを無意味に考えるようになってしまった。
まだ晩ご飯までは時間がある。
身体を動かせば少しは寝つきがよくなるかもしれないし、少し外を歩こう。
玄関に置いてある練習用のサッカーボールは、数十秒迷った末に持っていくことにした。
.
近頃は夜が短くなってきており、実際の時間と比べ外はまだ夕方と呼べる明るさだった。
どこに向かうかも決めていなかったが、足は自然と河川敷のほうへ向かっていた。というか、それ以外に行くあてもないのだ。
堤防をとぼとぼと歩いていると、河川敷のグラウンドが見えてきた。オレンジ色の薄い幕がかかったような色のグラウンドには、誰もいなかった。
せっかくここまで来たしサッカーボールも持っているし、何もしないで帰るのももったいない気がして、私は階段を降りた。
最初は軽く蹴るだけのつもりが、だんだんと力が入っていた。無心でゴールに向かってシュートを蹴り続ける。ゴールに入るのは五分と言ったところか、四隅を狙うと相変わらず変な方向に逸れた。
おかしな蹴り方をして、ボールがゴールを飛び越えて高架下の方へ転がっていってしまった。
慌てて追いかけると、ボールは暗がりに立っていた女性の足元で止まっていた。身体に当たってしまっただろうか。
「あっ、すみません。ボール……」
女性はボールを拾い上げてこちらに歩み出てくる。
高校生か大学生ぐらいだろうか。ジャージ姿のその女性は私に向かって親しげに話しかけてきた。
「こんばんは」
「あ、こ、こんばんは……」
「君、雷門サッカー部の子？」
「え？ は、はい……」
どうしてわかったのだろうと不思議に思っていると、彼女は「帝国戦、見てたよ」と付け足した。
「あたしは如月まこ。稲妻ＫＦＣっていう少年サッカーチームのコーチやってるの」
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春間(プロフ) - 桜星。さん» コメントありがとうございます！ 助かります……！ (2021年2月25日 14時) (
レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
桜星。 - 4-3「怯え」の三行目、天馬のセリフが「次の試合こと」になっていますが、恐らく「次の試合のこと」ではないでしょうか。 (2021年2月25日 13時) (レス) id: 15148237ac (このIDを非表示/違反報告)
春間(プロフ) - なすびさん» ありがとうございます！ 楽しみにしてくださってとても嬉しいです。頑張ります！！ (2020年8月26日 18時) (レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
なすび(プロフ) - 続編おめでとうございます！剣城くん抜きで試合がどうなるか楽しみです！ (2020年8月26日 16時) (レス) id: c22c2e84dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春真 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時：2020年8月26日 12時
