4-23.化身と化身 ページ23
「は……入った……」
唖然とする私に、天馬くんと倉間先輩が駆け寄ってきて「やったな！」「お前が決めたんだぞ！」と言葉をかけてくれた。
「よーし、みんな！ この調子で逆転だ！」
天馬くんの言葉に、チーム全体が「おおっ！」と元気よく声を上げる。
じわり、じわりとシュートを決めた実感がこみ上げてくる。
＿＿如月さん、私やりましたよ。すいせいシュート、決まりましたよ！
うっかり泣きそうになったが、まだ同点に並んだだけだと自分に言い聞かせて我慢した。涙は勝った時のためにとっておこう。
「……よし！」
自身の頬を両手で叩き、気合を入れ直す。
ずいぶんと苦戦を強いられてきたが、ここから反撃だ。
白恋のボールで試合再開。
ボールを奪おうと私と倉間先輩が向かっていくと、相手選手の背後から青いオーラが立ち上った。
「豪雪のサイア！」
はっとして見上げると、巨大な槍を持った氷の化身が私たちを冷ややかに見下ろしていた。
化身に薙ぎ払われ、その場に立っていられず後ろに吹き飛ばされた。
「うあぁっ！」
砂と雪が混じった突風に目が開けられない。
ここでもう一点入れられたら、逆転は難しい。残り時間もあまりないはずだ。
そう思い必死に脚を動かすが、白恋の選手の背中はどんどん遠ざかって行ってしまう。
化身を出している間は身体能力も大幅に上がるらしい。それに加えて、私の場合は体力も限界だった。
「いかせない！」
天馬くんの声と、ペガサスアークの雄叫びが重なる。
ペガサスアークはその屈強な筋肉を震わせながら、豪雪のサイアにタックルをしかけた。
「この……ッ！」
「負けない……！」
白恋の選手も負けじと押し返す。
両者一歩も譲らぬせめぎあいの中、天馬くんは突然ふっと身体を後ろに引いた。
「あっ＿＿」
ペガサスアークにかけていた体重が行き場を失って、相手選手がバランスを崩して前のめりになった。天馬くんはそこですかさずボールを掠め取る。
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春間(プロフ) - 桜星。さん» コメントありがとうございます！ 助かります……！ (2021年2月25日 14時) (
レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
桜星。 - 4-3「怯え」の三行目、天馬のセリフが「次の試合こと」になっていますが、恐らく「次の試合のこと」ではないでしょうか。 (2021年2月25日 13時) (レス) id: 15148237ac (このIDを非表示/違反報告)
春間(プロフ) - なすびさん» ありがとうございます！ 楽しみにしてくださってとても嬉しいです。頑張ります！！ (2020年8月26日 18時) (レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
なすび(プロフ) - 続編おめでとうございます！剣城くん抜きで試合がどうなるか楽しみです！ (2020年8月26日 16時) (レス) id: c22c2e84dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春真 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時：2020年8月26日 12時
