4-18.熱砂の戦い ページ18
「クソッ、止められたか！」
倉間先輩が舌打ちをする。振り返りながら私に自陣に戻るよう言った。
慌てて方向転換した瞬間、ボールがすごいスピードで雷門ゴールに向かって一直線に飛んでいった。
ただでさえ足の速さに自信がないのに、流砂に足をとられていつもにまして走るのが遅くなる。
汗で滲む視界の中、ゴール前にいた白恋の選手にボールが渡っているのが見えた。
「まずい……！」
白恋の攻撃のスピードに、雷門は追いつけていない。
ＤＦがブロックに入る前に、白恋の選手によって必殺シュートが放たれた。
「パンサーブリザード！」
突如、デザートスタジアムに吹雪が起こる。冷たい風にユニフォームがはためいた。
信助くんが止めに走ったが、あと一歩のところで手が届かず、白恋の得点を許してしまった。
「ゴーール！ 雪村のシュートが決まり白恋中先制点！」
「こんな、あっという間に……」
速攻で不意を打つつもりが、カウンターをくらってしまった。
「……次は決める。お前も気遣わずに、チャンスがあればどんどんシュートを打て」
「はい……」
倉間先輩の必殺シュートでさえ、相手キーパーに止められてしまうのだ。私のシュートが敵うはずがない。片手で止められるのがオチだ。
雷門のボールで試合再開。
倉間先輩にボールを渡し、走り出した瞬間、私の真横を風が通り過ぎていった。
「え＿＿」
振り返った頃にはもう、倉間先輩は相手選手のブロック技の餌食になっていた。
「アイスグランド！」
フィールドが一瞬にしてスケートリンクとなり、相手選手はフィギュアスケートの選手のように華麗に回転する。倉間先輩は氷漬けにされ、ボールは奪われてしまった。
「倉間先輩！」
倉間先輩は氷漬けにされ、ボールは奪われてしまった。相手選手は果敢に雷門に攻め込んでいく。
白恋中は北海道＿＿寒い地域に位置しているから、デザートスタジアムのような暑い場所は苦手としているのではないかと、どこかで思っていた。
だがそれはまったくの誤算で、むしろ白恋はこのスタジアムで実力を発揮できるように鍛えてきている。
シュートどころの話ではない。
異国情緒さえ感じさせる太陽の下、雪国の猛者たちは余裕の笑みを浮かべていた。
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春間(プロフ) - 桜星。さん» コメントありがとうございます！ 助かります……！ (2021年2月25日 14時) (
レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
桜星。 - 4-3「怯え」の三行目、天馬のセリフが「次の試合こと」になっていますが、恐らく「次の試合のこと」ではないでしょうか。 (2021年2月25日 13時) (レス) id: 15148237ac (このIDを非表示/違反報告)
春間(プロフ) - なすびさん» ありがとうございます！ 楽しみにしてくださってとても嬉しいです。頑張ります！！ (2020年8月26日 18時) (レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
なすび(プロフ) - 続編おめでとうございます！剣城くん抜きで試合がどうなるか楽しみです！ (2020年8月26日 16時) (レス) id: c22c2e84dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春真 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時：2020年8月26日 12時
