3-22.意地を見せる時 ページ22
雷門の空気がよくない。これはサッカーだけでなく何事においてもそうだが、気持ちややる気というのは人間の中で非常に存在が大きくて厄介で、要するに今の雷門では勝てる試合も勝てないのだ。
どうにかして空気を変えなければ。誰か＿＿
自然と目は天馬くんのほうに向く。彼はただ呆然とそこに佇んでいた。
＿＿違う。目が諦めていない。彼は負ける気なんてちっともない。怖いほどの気迫に満ちた天馬くんが、そこにはいた。
「天馬くん」
なんとなしに名前を呼ぶと、天馬くんがこちらを向いた。真摯な瞳に私が映った。
呼んだみたはいいものの、用件もないので何を言えばいいかわからない。これではかなり面倒なタイプの人間ではないか。「呼んでみただけ」が許される状況ではない。
謎の見つめ合いの後、天馬くんは思わずと言った様子で吹き出した。つられて私も笑った。
彼の表情がわずかに緩む。両手で自分の頬を叩いた天馬くんは、雷門メンバーを見回して大きな声で言った。
「みんな！ まずは同点目指して、確実に行こう！」
それは言葉としてはよくあるものだったが、なんて言ったってこのチームのキャプテンは天馬くんなのだ。
優しい風がフィールドを吹き抜けていったような気がした。
作戦をみんなに伝えた後、雷門ボールで試合再開。
パスを受け取った天馬くんが攻め上がる。
点を取るには、守ってばかりではいられない。攻めなければ。
だからと言って最終ラインを上げるのはリスクが大きい。そこでＤＦを残して他のメンバーで全員上がることにした。かなり攻撃的な布陣だ。
神童先輩の神のタクトＦＩのもと、正確にパスを回す。
私の役目はというと、ただひたすらに敵陣を走り回って相手を翻弄することだった。
もともとはあまり警戒されていなかった私だが、必殺技の影響かマークにつかれるようになっていた。これは、チャンスだ。
私のマークについている相手選手と共にとにかく足を止めずに動き回る。体力に自信はないが、良くも悪くも後半も残り時間はあとわずかだ。
誰がボールを持っていようと、「こっち！」だとかボールを持っている人の名前を呼んだりして、相手選手の目を少しでもこちらに向けさせる。単純な作戦だが、一人騒いでいる選手がいるだけでも相手の気を散らすことぐらいはできるはずだ。
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春間(プロフ) - 桃花さん» コメントありがとうございます。申し訳ありませんが、イベントの参加はすべてお断りしております。 (2020年8月24日 19時) (
レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
桃花 - 初めましていつも楽しみにしてますもしこちらも参加可能でしたら来てください｢https://uranai.nosv.org/u.php/event/Therei/｣やり方はそのまま画面に、ペースト、そのまま出て来ると思います。もしダメでしたらお断りしてかまいせん。 (2020年8月24日 19時) (レス) id: 3d7672005c (このIDを非表示/違反報告)
春間(プロフ) - なすびさん» コメントありがとうございます！私もgoが一番好きです。頑張ります！ (2020年8月23日 9時) (レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
なすび(プロフ) - 私イナイレシリーズで一番GOが好きなんですよ！なので、この作品を見たとき発狂してしまいました！帝国学園めっちゃ好きなんですよね…。続きを楽しみにしてます！ (2020年8月23日 7時) (レス) id: c22c2e84dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春間 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時：2020年8月18日 16時
