1-15.入部テスト・前半 ページ15
日曜日の猛特訓を終え、平日の放課後に一人で黙々とボールを蹴っていると、あっという間に入部テストの日になった。私は朝から緊張してしまい、授業の内容がうまく頭に入ってこなかったのが痛い。
放課後、指定されたジャージに身を包んだ入部希望者が正面グラウンドに集まる。ざっと数えて２０人ほどだろうか。その内女子は私を含めて４人だった。
時間になり、音無先生が入部テストの説明に入る。
「入部希望者の皆さんには雷門サッカー部の部員とミニゲームをしてもらうわ。前半と後半それぞれ２０分。希望者チームは人数が多いので、前半と後半でメンバーを入れ替えます」
私の出番は後半なので、フィールドの外でゲームを見学する。
選手たちが位置につくと、円堂さんがベンチから声をかけた。
「勝敗は問わない。お前たちの全力のプレイを見せてくれ！」
試合開始のホイッスルが鳴った。
実際に見てみると希望者チームに経験者は少数で、サッカー未経験者か初心者がほとんどだ。案の定雷門イレブン相手に苦戦を強いられている。経験者を中心にボールを運ぶも、ゴールにたどり着く前にボールを奪われてしまう。
「がんばれ……！」
希望者チームには、まだ挨拶を交わした程度の人や、一度も話したことが無い人もいる。しかし、このテストに合格すれば仲間だ。思わず両の拳を握った。
雷門イレブンに成す術なく、得点は０対２で前半が終了した。かなり手加減をされているが、それでも歯が立たない。悔しそうな前半メンバーと交代し、フィールドに入る。
特にポジションに希望はなかったため、空いていたＭＦの位置に立った。
初めて正面から雷門イレブンと向き合って、身震いする。なんて気迫だろう。力を入れていないと両脚が震えそうだった。
松風くんの赤いキャプテンマークに目を引かれた。松風くんは私を見て、かかってこいと言いたげに口角を上げる。
気圧されてる場合じゃない。
両頬を軽く叩き自分に喝を入れる。
せっかく特訓してもらったのだ、全力で挑まなければ。
後半開始を告げるホイッスルが、身体の奥を揺さぶった。
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春間(プロフ) - 名無し40482号さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！ 励みになります。 (2020年10月7日 13時) (
レス) id: 71c8355ca9 (このIDを非表示/違反報告)
名無し40482号(プロフ) - とても綺麗で読みやすい小説で、感動しました…（ ; ; ）更新楽しみにしてます。 (2020年10月6日 14時) (レス) id: b02fa3353c (このIDを非表示/違反報告)
春間(プロフ) - Ruiさん» ありがとうございます。申し訳ないのですが、占ツクの使い方がよくわかっていないので今回は遠慮させていただきます。コメントありがとうございました！ (2020年8月9日 11時) (レス) id: e235827dac (このIDを非表示/違反報告)
Rui - 初めましてタイトル凄くいい感じ！もしよかったら好きな作品出来るイベントもし参加出来たら嬉しいです勿論CSS付きも可能です。「 あなたの小説読ませて下さい。」です。 (2020年8月9日 0時) (レス) id: 79cb60a812 (このIDを非表示/違反報告)
春間(プロフ) - 充滞さん» ありがとう、頑張ります！ (2020年8月7日 19時) (レス) id: e235827dac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春間 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時：2020年8月5日 11時
