桜前線 6【イナクロ】 (ページ44)

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274　別れの時ページ44

未来の住人とのお別れの時はやってきた。私たちは五つのボールに寄せ書きを書き、天馬がそれを各自に渡した。

「これが黄名子の分で、これがトーブ、これがワンダバ、これがザナーク、これがフェイ！」
「えっ！」
「ウチ、感激やんね〜...！！」
「オラ、ずっとおめぇらのこと忘れねぇぞー！！」
「フッ。ありがたく貰っておくぜ」
「諸君、今までありがとう。監督をすることは叶わなかったが、良い旅だった」

黄名子とトーブは涙を浮かべている。彼らの姿が段々ぼやけてきて、気づけば自分も泣いていた。

「これからみんなをそれぞれの時代へ送り届けるよ」
「ああ。元気でな」

イナズマTMキャラバンはワープすると、その姿が忽然と消えた。柔らかな風を感じながら、私たちは消えた地点をしばらく見つめていた。

「俺...夢をみていたのかな」
「夢だとしたら、すごい大冒険だったね」
「そうですね」

たとえ遠く遠く離れていても、私たちの心はきっと繋がっている。