265 ラグナロク三回戦 [2] ページ35
「レイ・ルクはアンドロイドだ。だから攻撃が効かないのかもしれない」
「そういうことか...！」
レイ・ルクは一定時間活躍したものの、ガルからリンチに遭い、とうとう機能停止してしまった。ガルは敵なしの状況となった。フェイは信助の目の前に立っていた。その動きにはなにか迷いがある。空白の時間が訪れた。そして、ある時彼は叫んだ。
「破壊！！！」
途端に悲鳴がピッチから会場に広がった。しかし、突然悲鳴が収まった。
「一体なにが起こっているんだ...」
硬直した試合が再び動き出す。数分経った頃にホイッスルが鳴った。三回戦の結果は引き分け。
「引き分けだと...！？」
「どうなるんだ。まさかこれで戦争が終結するわけないよな」
『みんな聞いてほしい。トウドウ議長も認めてくれた。ラグナロクはもう一度最終決戦を行うよ！お互い最強メンバーを選出してね。フェーダ代表はザ・ラグーン。試合は明日、ここラグナロクスタジアムで行う。すべての決着を明日つけよう。楽しみにしているからね』
フェイは謎の白ローブの人に連れ去られそうになっている。私たちはフェイのもとへ向かうこととなった。現場に到着すると、白ローブの人はフードを脱いだ。フェイが目を覚まし、起き上がると、彼は話し始めた。
「私は...お前の父親だ」
白ローブの大人がフェイの父親という事実は衝撃的だった。豪炎寺さん曰く、彼はフィフスセクターに大きな影響を与えた支援者Xらしい。
「フェイ」
「今日は僕を助けたい気分だった。そんなところ？」
「ち、違う」
「あなたは僕を捨てたんじゃなかったの？僕が怖くて、僕を捨てた！」
「それは違う」
「じゃあ、なんでだよ！なんで僕を一人ぼっちにした！」
フェイの父親・アスレイは語った。エルドラドの幹部だった彼は地位を失うことを恐れ、フェイを残して去った。彼はSSCの力をもつフェイをエルドラドから隠しておきたかった。フェイから離れることが、自分とフェイを守る唯一の手段だった。
「私はお前を捨てきれなかった」
アスレイは正直に語った。フェイを捨てたのだと。
「お前のことが心配になりフェーダに入った。お前を見守るために支援者Xとなって、SARUに近づいた」
「遅いよ。もう何もかも遅いんだ」
「遅くない。今すぐにフェーダを出るんだ！」
「...勝手すぎる、みんな。SARUも貴方も」
「フェイ、とにかくお父さんの話、聞いてみようよ」
「っ天馬は黙ってて！！」
「フェイ！なに聞き分けのないこと言ってるやんね！」
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作者名：充滞 | 作成日時：2024年3月4日 12時
