264 ラグナロク三回戦 [1] ページ34
三回戦の相手はガル。そのキャプテンはフェイだ。試合が始まるとフェイの常人離れの動きが光った。あれがフェイの本来の姿だというのか。認めたくはないけど、今の方が活き活きとしている気がする。フェイの前に天馬が立ち塞がる。天馬とフェイのボールの激しい奪い合いが始まった。前半終了時点で2-0でガルがリードしていた。
「厳しい戦いだな...」
「天馬が頭を強く打っていたが、大丈夫だろうか」
観客席にも不安が漂う。後半戦、チーム03にザナークが加入した。
「となると、3回戦連続で出ることになるじゃないか」
「最初は敵だったけどな」
「ザナークは確かにパワーがあるが、敵だけでなく味方も弾き飛ばしてしまう」
ザナークは試合中であるにも関わらず、時折立ち止まっていた。周りの選手に何やら話しているようだった。しかし、絶対にボールは渡さない。何をしているのだろう。スコアボードの横に画面が登場し、彼の様子が映る。腕を組んで誇らしげにしているザナークが拡大される。ある時、彼はミキシトランスした。
「あれは...」
「ザナークがミキシマックス...！12の力か」
「ミキシマックスの相手は誰なんだ！？」
必殺シュートにより、チーム03は一点を返すことに成功した。ザナークがベンチの方を向いてなにやら叫んでいるが、内容は聞こえてこない。天馬とフェイのボールの激しい奪い合いが再び始まった。化身アームドした太陽くんや霧野くん、トーブも応戦する。
「三人とも...化身アームドを！」
ラグナロクを経て、着実に実力は上がっているようだ。
「何度言わせるつもりだ！俺様はスーパーザナークだぁあ！！」
その大きな声がグラウンドから聞こえた直後、彼は必殺シュートを放った。ゴールは決まった。ザナークなしには叶わない加点だった。試合が再開した後、フェイが全く動かなくなってしまった。
「フェイはなぜ動かないんだ」
「さっきからずっと棒立ちだな」
ある瞬間、フェイが動いた。途端にチーム03のみんなが頭を抱えて地面に落ちた。
「...！？何が起こったんだ」
皆が苦しんでいる。チーム03で無事なのはレイ・ルクだけだ。
「まさか、超能力...！？」
「しかし、試合で超能力は使わないと約束していただろ」
「あいつら、約束を破りやがった。きっと同点になったからだ。焦って超能力を使ったんだ」
今、チーム03のゴールを守れるのはレイ・ルク一人のみ。
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作者名：充滞 | 作成日時：2024年3月4日 12時
