桜前線 6【イナクロ】 (ページ32)

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262　ラグナロク二回戦 [4] ページ32

拓人くんは神のタクトの進化版・神のタクトFI(ファイアイリュージョン)を発動させた。的確な指示により、不思議なほどスムーズにパスが繋がれる。

「「「シュートコマンド24、オメガアタック！！！」」」

虹色の閃光がギルのゴールを突き刺した。アルファ・ベータ・ガンマの連携は、エルドラドの他のメンバーの協調性を高めた。拓人くんの思考力にあっぱれと声を大にして言いたい。データの意味がわかったところで、常人ではそのデータを使いこなすことはできないだろう。サカマキの意図を理解して実行した拓人くんも、重要なデータをピックアップしたサカマキもどちらも天才だ。やはりあの監督、只者ではない。拓人くんのシュートが決まった後、ギルのカウンターが始まった。

今のたっくんなら、きっと皆を動かせる。目が合い、互いに頷き、彼は全体に指示を出した。私はゴール前に移動しながら、化身を出した。

「みんな！下がれ！」
「残花シエラザード！アームド！」

メイアとギリスの必殺シュートが襲い掛かる。狩屋、天城先輩が止めに入った。しかし、ボールはまだ威力を保っている。力を振り絞り、右足でシュートを受け止めた。破壊の念が込もったシュートだ。

「はぁぁあああああっ！！」

シュートは威力を落とし、寸前のところでルジクが止めた。

「ナイスだよ」

キーパーの彼に声をかけると、少し誇らしそうにしていた。ボールは天城先輩、拓人くん、そしてベータへと繋がれる。

「ベータ！トップスピードだ！」
「任せちゃってください♡...ぶちかましてやる！！シュートコマンドK02！」

やはり、ストライカーとしての適性はあの3人が高い。特にベータ。スピードが高い上に、ロングシュートの威力が保てるのは強い。しかし、ギリスとメイアはまだ諦めてはいなかった。彼らの連携には隙がなく、あっという間にゴール前まで攻め込まれた。再び必殺シュートが放たれる。それを単独で防ぎ切ったのがあの男・ザナークだった。

「止めたぜ！石のじじい、見たか！見たなぁ、俺様の力を！！」

その時点で試合が終了した。一点差でチーム02の勝利が決まった。

「勝った...」

鬼道監督のチームが残した希望の光のバトンがつながった瞬間だった。一勝一敗だ。