桜前線 6【イナクロ】 (ページ4)

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234　残された子どもページ4

突如、獣の谷のトップの座を狙うデスホーンという恐竜がロックスターに襲いかかってきた。弱体化したロックスターは幼いビッグを守る構えに入る。私たちはロックスターとビッグを守るため、サッカーでデスホーンに立ち向かった。まさか恐竜の対抗手段がサッカーとは。それだけサッカーは強大なパワーを持っているというのか。その事実が恐ろしくもあった。ロックスターは格闘の末、ビッグを守り切り、デスホーンを追い払った。デスホーンの後ろ姿が消えたのを確認した後、ロックスターはドサっと倒れた。ビッグのか弱い泣き声が響き渡る。

「ロックスター...頑張ったやんね」

亡骸を見て、黄名子ちゃんは静かに涙を流した。トーブは涙を流し、天馬に声をかけた。

「ウゥゥうう...。テンマ！オラにもサッカー教えてくれ！」
「えっ！」
「オラにはでかい爪も牙もねえ。でも、強くなんなきゃいけねーんだ！ロックスターの代わりにオラがビッグを守んなきゃいけねーんだ！」

トーブの呼び方がトンマからテンマに変わった瞬間だった。天馬は快く歓迎した。ふとビッグの方を見ると、縮こまって泣いていた。目の前で親が死んだんだ。誰でも辛いに決まってる。気づけば体が動いていた。

「ビッグ」

その小さな体を抱きしめた。つられて自分も涙が溢れてきた。

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