258 12の力は ページ28
その時、バタバタと雷門メンバーが入室してきた。その先頭には大介のクロノストーンがいた。
「やはりここにいたかザナーク」
「よう、石のじじい」
「大介さん！天馬に葵ちゃん、剣城まで」
「おじいちゃんが、12の力はザナークかもしれないって言うんです」
「なんだと...！？」
一同に衝撃が走る。時空最強イレブンについてエルドラドメンバーは事情を聞いているらしく、混乱している素振りはなかった。
「そういうことだ。悪いが俺はもう決めた」
「まあ待てザナークよ。たしかにお前の力はすごい。しかし、ワシに言わせれば、物足りん！」
「そういうと思...なにッッッ！？」
「ワシの求める時空最強のチーム。その12人目となり得る可能性は持っとる。ワシの指示に従って、修行を積むのだ！」
「フン、断る」
「なにっ？」
「どうやらお前は俺様の本当の力をわかってねぇようだな。すでに俺はその時空最強の力に達してるってことを。次の試合で証明してやるぜ！」
「いいのですか、サカマキ監督」
「好きにしろ。どうせ言っても聞かんのだろう」
「そういうと思ったぜ」
ミーティングルームに残された雷門メンバーだけで、追加のミーティングを行った。
「フェーダからザナークが離脱し、エルドラドへ来た。対して、エルドラドからフェイが離脱し、フェーダへ行った」
「事実だけを見ると、選手の交換が行われたようなものだな」
「ああ。フェイは次の試合に出てくる可能性が高い。そうなると、ギルのチーム編成が変わるかもしれないぞ」
「今ある情報を鵜呑みにしちゃいけないってことだな」
「そういうことだ。情報は常に更新されていく。あらゆる可能性を考え、最悪の事態に備えた方がいい」
まるで将棋のゲームだ。相手がどんな手を使ってくるかを考えた上で、初手を使う必要がある。パターン別に整理する必要がありそうだ。
「次の試合に負けた時点で、ラグナロクでの俺たちの負けが決まる。そんなことは許されない。絶対に勝つぞ」
「「ああ！」」「はい！」「うん！」
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作者名：充滞 | 作成日時：2024年3月4日 12時
