250 皇帝の宣戦布告 ページ20
ある日の個人練習中、地面が激しく揺れ動いた。
「！！」
「なんだ、地震か！？」
強制的に別の場所に転移させられた。その先は屋外。夕日が辺りをオレンジ色に照らす中、エルドラド本部は瓦礫の山となっていた。唖然とするトウドウ議長とサカマキ監督が目の前にいた。
「悪魔共め...」
存在感を感じ、さらにその先を見ると、何者かの団体がいた。
「...！」
あの姿は。天馬と一緒にいた時に話しかけてきた、天馬に似る少年だ。彼は自らをフェーダのリーダーだと認めた。彼もまた、SSCだという。
「ラグナロクの開会式セレモニーは楽しんで頂けたかな」
「サッカーで勝負するんじゃなかったのか！」
「もちろんこれからサッカーをやるよ。世界を変える最終戦争・ラグナロクをね。じゃあ準備に移ろう」
そう言って、フェーダの皇帝SARUは人差し指を天へ伸ばした。他のメンバーも後に続く。すると、瓦礫が再び建築物へと生まれ変わっていく。
「エルドラド本部がみるみる変わっていく...」
「さあ、できたよ。決戦の舞台・ラグナロクスタジアムさ」
エルドラド本部は消え、その代わりにラグナロクスタジアムが生まれた。壮大なスタジアムだ。その中には私たちのスペースも設けられているという。様々なことが考慮・配慮されて作られているらしい。
「第一試合は明日。しっかり準備しておいてね。まあ、無駄だろうけど」
冷めた表情でSARUは告げた。彼には確かな自信があった。
「約束する。ラグナロクでボクたちはこの力を使うことはない。この力を使わずともボクたちSSCがキミたちより優秀だと証明してみせる。明日が楽しみだよ」
SARUが去る直前、フェイがその場にドサっと倒れた。
「フェイ！！」
鬼道監督が倒れたフェイを運び、ラグナロクスタジアムに入って行った。私たちもその後を進む。フェイのことは、フェイが所属する鬼道監督のチームに任せることになった。
「フェイが心配だド...」
「意識が戻ればいいんですが」
不安を抱えながら、サカマキ監督チームの私たちは別の宿舎へ向かった。
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作者名：充滞 | 作成日時：2024年3月4日 12時
