243 悩める天馬 ページ13
アーサー王や円卓の騎士とともに馬車に乗り、湖に立ち寄る。アーサー王がエクスカリバーを湖に投げ入れると、妖精ヴィヴィアン役の茜ちゃんが出てきた。復活の儀式が行われ、エクスカリバーは完全に復活した。到着した先は、険しい山々が連なる山岳地帯。ここからは徒歩のようだ。ヒールだと歩きにくい。ドレスの裾が長く、地面に擦らないようにするには両手で持つ必要がある。厳しい太陽の日差しを受けて、歩き続ける。蛇の集団に出くわすも、倉間くんの必殺シュートによって解決した。
「お、お、俺、蛇ダメなんすよ〜〜」
「狩屋、一緒に行こう」
狩屋の肩を抱えてともに進んだ。姫様なのに勇ましい、なんてコメントも貰いつつ先に進む。森の道に辿り着くと、一旦休憩することになった。皆がへたり込む中、湖の近くで一人だけ真顔で俯く姿があった。天馬だ。
「てーんま」
「A先輩」
「浮かない顔してどうしたの？」
「いえ...」
天馬は最近調子が良くなさそうだ。何かあったのだろうか。
「先輩は、キャプテンの役割についてどう思いますか」
「キャプテンの役割？」
「はい」
それを聞く意図はなんだろう。そう思いつつ、自分なりに答えを出した。
「天馬はどう思うの？」
「俺、キャプテンっていうのは、神童先輩や太陽みたいにみんなに指示を出せる人だと思います」
「そっか」
「...」
「＿キャプテンの役割か。キャプテンっていうのは、チーム全体をよく見る必要があるんじゃないかな。良いところを伸ばして、足りないところを補えるように誘導するの。それができて初めて、皆に指示を出せるんじゃない？」
青い空を見上げながら、天馬に語りかけた。
「たっくんや太陽のようにならなくてもいい。天馬は天馬らしくいればいいよ」
「...俺らしく」
「そう。天馬らしく、だよ！」
天馬の手を取り、皆の居る場所へと戻った。一行は嘆きの洞窟へと向かい、時折コウモリに襲われながらもようやく到着した。その先には鳥籠の中にいる黄名子とマスタードラゴンの姿があった。助け出そうとした時、ダークドラゴンナイトと名乗る怪しい騎士が現れた。あの抑揚のない声は、もしやレイ・ルクか。操られたマスタードラゴンとアーサー王の格闘の末、アーサー王が勝利を手にし、マスタードラゴンは湖の底へ沈んでいった。
ダークドラゴンナイトがレイ・ルクだと判明すると、突発的に試合が始まった。
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作者名：充滞 | 作成日時：2024年3月4日 12時
