桜前線 4【イナクロ】 (ページ40)

今日:19 hit、昨日:7 hit、合計:2,107 hit

173　vs チームA5 [1] ページ40

試合が始まるなり、エイナムは宣言した。

「このバトルは歴史改変とは関係ない。共鳴現象は起きないんだよ。故に化身アームドできる可能性はゼロ。つまり、お前たちの負けだ」

彼は続けて言った。

「お前たちとの戦いによって、リーダー・アルファは去った。その怒りを知るがいい」

やけに感情的だ。プロトコル・オメガの一員らしくない言動に違和感を覚えた。

「ベータはお払い箱って言ってたよ」

そう言うと、逆鱗に触れたのか、エイナムは怒りを露わにした。

「それがどうした。新リーダーはリーダーのことを何も理解してはいない。あの娘は所詮議長の気に入り。アルファの方が優れているに決まっているのに、正当に評価されなかったのだ。元はといえばお前たちが現れたから、リーダーは去ったのだ。お前たちの所為で」

エイナムがズンズンと近づいてきて、胸ぐらを掴んできた。すぐに拓人くんが仲裁に入る。

「その手を離せ」
「フン」
「Aも煽るようなことを言うな」
「私たちの方が強かったから、プロトコル・オメガは負けたんでしょ。私たちを恨むのはお門違いだよ」
「なんだと...！」
「A！」
「エイナム、それ以上はやめろ。熱くなりすぎだ」

両者のチームが仲裁に入る事態となった。私とエイナムは対立したまま、睨み合う。エイナムは私に向けて指を差し、宣言した。

「まずはお前だ。お前から潰してやる」
「できるものならやってみな」

試合が再開した。