桜前線 4【イナクロ】 (ページ32)

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165　封印されたのはページ32

抗えない。引きずり込まれてゆく。フェイとともに、強大な力に抗った。まるで正面から強い風を受けているようだ。でも、このまま力を抜くと、あのボールの中に封印されてしまう。それだけは嫌だ。

「...っ、Aっ...」

隣にいたフェイから声をかけられて目が合う。彼の目は何かを覚悟していた。腕を掴まれたと思えば、その瞬間、フェイが私を遠くへ投げ飛ばした。ベータの「まあ」と驚く声が一瞬微かに聞こえた。

「ッッ...！！」

ドサっと地面に倒れ込んだ途端に全身が痛む。飛ばされた直後は強い痛みで目が開けられなかった。ハッとして前を見ると、フェイが封印されそうになっていた。

その時、理解した。フェイは私のことを助けてくれたんだ。だから、投げ飛ばしたんだ。

「フェイ！！」

どうしよう。フェイが封印されちゃう。でも、助けに行けば、フェイが助けてくれた意味がなくなってしまう。どうすれば。どうすれば、フェイを助けられる。

「ゴッドハンドV！！！」

フェイの前に現れたのは円堂監督だった。円堂監督の必殺技により、フェイは自由の身となった。

「お前も行くんだ！」
「...！はい！」

しかし、代わりに円堂監督が封印されてしまった。いた筈の存在が忽然と消えてしまった。

「円堂監督ーーー！！！！」
「円堂監督...！」

雷門は逃げ出し、即座に撤退した。