桜前線 4【イナクロ】 (ページ24)

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157　剣城が戻ってきた！ページ24

現代に戻るまでの車内は静かだった。優一さんのことを想うと、しんみりとしてしまう。一行はサッカー棟の部室へ向かった。

「剣城、いるかな」
「いるさ。きっと」
「うん、信じよう」

天馬、私、拓人くんが先頭を切って進む。部室に入ると、剣城がいた。勿論弟の京介の方だ。

「「つるぎー！！！」」

天馬と一緒に飛びつこうとすると、意外にも避けられなかった。私は剣城の腰に巻きつき、存在を確かめていた。天馬は剣城の足に抱きつきながら問いかける。

「なんでいつもみたいに避けないの？」
「そんなことをしたら、A先輩が怪我するだろ」

思わず感激の涙を流した。

「優しすぎる...良い後輩をもった...」
「...。そろそろ離してください」

天馬は床にちょこんと座ると、頬を掻いた。

「剣城がここにいるんだなって思うと、嬉しくて」
「サッカー部なんだ。当たり前だろ」
「...！ああ！あ、のさ、優一さんはどう？」
「ああ。順調に回復している。リハビリもこなしているしな」

私たちは顔を見合わせて、喜びを分かち合った。